━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「植草一秀の『知られざる真実』」 2012/03/26 史上空前検察巨大犯罪に与党大物国会議員関与か 第178号 ──────────────────────────────────── 4月26日に小沢一郎氏に対する公判の判決が示される。 小沢一郎氏は東京第五検察審査会の二度にわたる起訴相当議決によって起訴 され、現在公判審理の対象になっている。 しかし、この東京第五検察審査会の審査に重大な影響を与えた公的文書の一 部に不正なものが含まれていることが判明した。 東京地検特捜部が作成した捜査報告書に重大な虚偽記載があり、この虚偽記 載された捜査報告書が大きな誘因となって、小沢氏に対する二度目の起訴相当 議決が行われたことが判明している。 したがって、東京第五検察審査会による起訴相当議決は、その決定の正統性 を失うことになり、この検察審査会議決に基づく公判は、公判請求の根拠を失 うことになる。 その結果、公訴は棄却されねばならないだろう。 その場合、検察審査会への審査申し立てが再び行われる可能性があるが、検 察審査会が適正な審査を行う限り、再び起訴相当の議決を示す可能性はないと 思われる。 焦点は検察の犯罪である。 村木厚子さんの冤罪事案では、大阪地検特捜部の検事前田恒彦氏が証拠品の フロッピーディスクを改竄するという犯罪を行ったことが判明し、前田氏は現 在、刑に服している。 前田氏は証拠改竄の事実を上司である大坪弘道前特捜部長と佐賀元明前副部 長に報告したが、この二名の上司は、改竄の事実を聞きながら、この事実を隠 蔽した罪を問われ、現在、公判係争中である。判決は3月30日に示される予 定である。 村木さん事件では、改竄された証拠は、結局、公判に提出されなかった。し たがって、直接的には公判には影響していない。それでも、検事が証拠品を改 竄したことは重大な犯罪であり、実刑という重い判決が示されることになった。 今回の捜査報告書のねつ造は、検察審査会が小沢氏に起訴相当議決を行う決 め手になった書類のねつ造である点で、村木厚子さん事件とは比較にならない ほど重大なものである。… … …(記事全文6,411文字)
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植草一秀(政治経済学者)