━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「植草一秀の『知られざる真実』」 2012/03/25 消費増税・原発・普天間・TPP・東電処理の考え方 ──────────────────────────────────── 国民にとって重大な問題が山積している。 当面の最重要課題は拙速な原発再稼働を許さないことと、正義も大義もない 消費増税を絶対に許さないことだ。 野田佳彦氏は消費増税論議について、「ちゃぶ台返しを許さない」と述べた そうだが、ちゃぶ台を返したのは野田佳彦氏である。 「シロアリを退治しないで消費税を上げるのはおかしい」 と声を張り上げたことを忘れたとは言わせない。 シロアリ退治など、何も進んでいないではないか。「シロアリを退治しない まま消費増税に進まない」というちゃぶ台をひっくり返したのは野田佳彦氏な のだ。 所得税法附則104条に「2011年度中に税制上の必要な措置を講ずる」 と記述されているのは、麻生政権が2009年8月総選挙に勝利した場合、2 012年度に増税を実施することを前提とした日程設定である。 2009年8月総選挙で自民党が敗北した瞬間に、この法律条文は意味を失 った。 民主党が国民に約束したのは、「シロアリ退治なき消費増税阻止」であり、 シロアリ退治もしないで消費増税に突き進むのは「サギ」である。 野田山のサギ首相だ。 原発再稼働について、関西電力大飯原発3、4号機の安全評価(ストレステ スト)の1次評価が内閣府原子力安全委員会で正式に了承されたが、原発の再 稼働を認めるのに十分な条件が示されたわけではない。 福島原発事故後の混乱のなかで、原発に対する不十分な知見しか持っていな いことが暴露されてしまった、デタラメならぬ、斑目(まだらめ)春樹原子力 安全委員会委員長ですら、「1次評価は安全評価として不十分」だとする1次 評価だけで原発再稼働を認める行為は、未必の殺意がある行動と認定されなけ ればならない。 3月25日のNHK「日曜討論」で、原発再稼働問題について、社会民主党 の阿部知子議員が、 「一次評価だけでは安全評価は不十分で、その不十分な段階で、専門家でない 政治家が政治判断で原発再稼働を認めることなどありえない」… … …(記事全文5,203文字)
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植草一秀(政治経済学者)