━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「植草一秀の『知られざる真実』」 2012/03/22 民主内消費増税論議で欠かせない五つの論点 第174号 ──────────────────────────────────── 野田佳彦内閣の消費増税閣議決定が週明けに先送りになった。 大義も正義も正統性もない消費増税案は撤回するべきだ。 民主党の良識派が野田内閣の暴走に対して、体を張って対抗していることは 極めて健全な姿である。 野田・岡田の「天下り決死隊」は、国民を裏切り、国民にうそをついて、巨 大な消費増税を強行決定しようとしているが、民主主義を破壊する卑劣な行為 を慎むべきである。 民主党内論議では、景気条項と追加増税条項が論議されていると報道され ているが、追加景気条項には何の意味もない。 当初から撤回することを前提に示されたものである。 描かれている三文芝居のシナリオは、延々と民主党内論議が続く。 閣議決定日程を何度も先送りする。 機が熟した段階で、野田佳彦氏がしゃしゃり出て、追加増税条項を撤回して 意見集約を図る。 執行部一任を宣言し、一部の議員が拍手するというものだ。 追加増税条項は、初めから撤回用に提示されているのである。 議論をできるだけ長引かせるのは、「熟議を重ねた」との説明を付けるため である。 追加増税などという話は、直近になって急浮上した話で、こんな条項を盛り 込もうというところに、論議全体のいかがわしさが表れている。 財務省はいま、そこまで求めていない。初めから撤回することを織り込んで 提示しているのである。反対者に大幅に譲歩したとの演出を凝らすことが狙い である。 景気条項の実質2%成長、名目3%成長というのは、数値としては適正な部 類に入るのだろうが、ひとたびこの数値を条件に設定すれば、彼らは何を始め るか、見当がつかない。… … …(記事全文5,745文字)
メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」
植草一秀(政治経済学者)