━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「植草一秀の『知られざる真実』」 2012/03/14 TPRという恐るべき財務省言論統制活動の実態 第166号 ──────────────────────────────────── 日本の主権者は国民である。 と日本国憲法には書いてある。 しかし、そう考えていない者がいる。 財務省だ。 財務省の一種試験合格者は、自分たちが主権者であると錯覚している。 世の中を支配しているのは自分たちで、主権者や主権者を代表する国会議員、 国会、内閣が実権を持つというのは、あくまで建て前で、リアリティーは「主 権は財務官僚にある」と、彼らは心の底から信じている。 だから、主権者国民が選挙を通じて判断したことを、勝手に覆そうとする。 内閣総理大臣が、自分たちに都合の良い方針を示せば従うが、首相が自分た ちに都合の悪い方針を示すなら、首相の首まですげ替えるわけだ。 2009年9月に発足した鳩山由紀夫政権が8ヵ月の短命に終わった理由の ひとつは、財務省が鳩山政権打倒を目指したことにある。 鳩山内閣をつぶしに動いたもうひとつの本尊が米国である。米国は日本政府 の費用負担で、沖縄県名護市キャンプシュワブ海岸域に巨大滑走路を建設させ ようとしていた。 ところが、鳩山由紀夫氏が選挙前に沖縄県民の意思を確認して、普天間基地 の移設先を県外ないし国外に定めた。 これに激怒したのが米国である。 財務省と米国の意思によって鳩山内閣は倒された。全面協力したのが法務検 察とマスメディアである。 財務官僚は2009年8月総選挙の前から、次の衆院任期中に消費増税を実 施することを決めていた。麻生太郎内閣には、その方向で、所得税法附則10 4条を作らせた。 そのなかで、2009年5月に民主党代表選が実施された。財務省は消費増 税に積極的なシロアリ王国の御曹司で天下り決死隊の一人、岡田克也氏の当選 を目指した。マスメディアは岡田氏を全面支援した。… … …(記事全文5,723文字)
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植草一秀(政治経済学者)