━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「植草一秀の『知られざる真実』」 2012/02/23 日本を不幸に導く大阪維新の会 第146号 ──────────────────────────────────── 「大阪維新の会」なる存在がマスメディアで膨大に報道されているが、「船中 八策」の骨子を見る限り、その理由は不明だ。 日本政治の構造が根底から刷新されてしまうことに対する既得権益勢力の恐 怖が、「みんなの党」や「大阪維新」などの人工的な新党構想を生み出してい る背景であると思われる。 2008年夏にフジテレビが政治ドラマ『CHANGE』を放映した。この 放送終了に合わせて「みんなの党」を立ち上げる予定だったのだろう。しかし、 準備不足で「みんなの党」の発足が遅れた。 総選挙で「みんなの党」はそこそこの成績を上げたが、投入された情報媒体 のエネルギー量を考慮すると、惨敗というのが実情だったのではないか。 その活動の第2弾が大阪維新の会であると私は理解する。 メディアの動員は常軌を逸している。 既得権益勢力は、今度はこれを総選挙での台風の目にしようとしているのだ と思う。 「船中八策」の各論はどうでもよい。優れた提案があれば、それは、日本中で 活用すれば良いだろう。良い提案が皆無というわけでもないからだ。だが、そ れは枝葉末節だ。 大事なのは政策の柱だ。 中央集権を地方分権にすることに賛成する者は多いと思うが、船中八策には、 どのような手順で地方分権を実現するのかが示されていない。 私の提案は何度も述べているが、日本を人口40万人規模の基礎自治体30 0に分割して、この基礎自治体に強い権限を付与するというものだ。 面積ではなく人口で区分するのは、地方行政を運営する主役が「ヒト」だか らだ。優れた人材の分布が均等であるなら、人口40万人で区分することで、 基礎自治体の競争条件を均等化できる。 各自治体が優れた人材を積極的に登用して、それぞれの自治体行政に活かし てゆくのだ。 大阪維新の会は地方分権が大事だと主張するが、具体的にどのように日本全… … …(記事全文5,515文字)
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植草一秀(政治経済学者)