━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「植草一秀の『知られざる真実』」 2012/02/20 もはや政権の体をなしていないどじょうの末期 第143号 ──────────────────────────────────── 朝日新聞社説を論評する。論評にも値しない愚論だが、朝日の落日を示す象 徴的文章でもあるから、紹介しておく。昨日付のメルマガ記事で取り扱った。 「ごみ売り新聞」と揶揄される発行部数だけが売り物の新聞が有名だが、朝日 新聞も「媚び売り新聞」と改名した方がよいのではないか。 2月19日のNHK日曜討論では、民主党内も与党内もまとめることのでき ない、野田佳彦内閣の体たらくが改めて鮮明に印象付けられた。 民主党国会議員の約半数が消費増税反対である。消費増税に賛成している議 員と反対している議員のどちらに大義と正義があるのかは明白である。 正義と大義があるのは消費増税に反対している民主党議員である。 朝日新聞がどのような社説を掲載したのか。以下に引用する。2月18日付 朝刊社説である。 「一体改革大綱―民主も結論を出す時だ」 「野田内閣が税と社会保障の一体改革の大綱を閣議決定した。消費増税を柱と する法案を、3月中に国会に提出する。その方針に沿って、半歩進んだ。 政府・与党が1月に素案を決めてから40日が過ぎている。野党との事前協 議が成り立たないのだから、政府・与党単独での大綱決定は当然だ。 この間の野党、とりわけ自民党には失望させられた。消費増税の必要性を認 め、当面10%という引き上げ幅も同じなのに具体的な対案を示さない。 民主党のマニフェスト違反をあげつらい、政権に衆院解散・総選挙を迫るば かりだった。 もはや野田首相は、一日も早く法案を提出し、国会論戦を通じて妥協点を探 るしかない。 ところが、こんな現実を前に、民主党内には相変わらずの光景が広がってい る。いまだに増税反対論が根強くあるのだ。 現下のデフレ経済のもとでは増税すべきではない、国会議員や公務員の経費 削減が先だ、といった意見が渦巻く。 朝日新聞の2月世論調査で、政府の増税案に賛成40%、反対46%、最大… … …(記事全文5,511文字)
メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」
植草一秀(政治経済学者)