━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「植草一秀の『知られざる真実』」 2011/11/01 富国有徳小渕恵三氏VS巧言令色野田佳彦氏 第32号 ──────────────────────────────────── 自民党の小渕優子議員が衆議院本会議で代表質問に立ち、野田佳彦氏と小渕 恵三氏との間には、天と地の違いがあると述べた。 小渕恵三元首相は小渕優子議員の実父にあたるから、身内のことをへりくだ る風習のある日本では、小渕議員の発言が顰蹙を買う可能性はあるだろう。 しかし、その点を離れて考えれば、小渕議員の指摘は正鵠を射ていると思わ れる。 小渕元首相は小渕政権が目指す方向について、「富国有徳」との言葉を掲げ た。 いまの日本に欠けている最大のものは、徳のあるリーダーであると思う。 本当に徳のある人物が、政治の最前線から排除されていること。これが、現 代日本の最大の不幸である。 政治家に求められる第一の資質は、無私の精神である。無私であり、高い徳 を有していること。これが指導者に求められる最大の資質である。 知識、見識、学識も必要だが、知識と学識については、別の人間が補完する ことができる。リーダーが何から何まで知っている必要はない。 あらゆる情報を入手できる体制を整えることができ、そのなかで、正しい判 断を下すことのできる見識が求められている。 問題は、何を持って正しい判断とするのか、ということである。 企業の経営者であるなら、企業の発展を誘導できるかどうかが問われるだろ う。もちろん、顧客、社会、従業員といった企業の利害関係者を尊重したうえ での話ではあるが、企業経営者は企業の発展を目指すことが求められるだろう。 これに対して、為政者はどうであるか。 何よりも大切なことは、民の幸福を願い、そのために力を尽くすことである。… … …(記事全文5,259文字)
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植草一秀(政治経済学者)