□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2017年02月10日(金)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ ご購読ありがとうございます。USDA2月需給報告の解説です。今回は、珍しく小麦需給見通しの修正状況がマーケットの関心を集めました。どのような修正が行われ、それが穀物相場にどのようなインパクトを与えるのかを検証します。 =================================== USDAが小麦輸出見通しを引き上げたら、コーンと大豆が下げた2月WASDE =================================== <小麦需給見通しが改善すると…> 米農務省(USDA)は2月9日、今年二回目となる需給報告(WASDE)を公表した。今報告では、南米産のトウモロコシと大豆生産高見通しをUSDAがどのように修正してくるのかが最大の焦点になると予想されていたが、マーケットの関心を集めたのは米国産小麦需給見通しの方だった。同日のCBOT小麦先物相場は前日比で11.00セント高の1Bu=443.50セントと2.5%の急伸になっており、小麦需給見通しにポジティブ方面のサプライズがあったことが強く窺える状況にある。 一般的にこの時期に小麦需給見通しが大きな修正を迫られる可能性は低く、だからこそマーケットは小麦需給に対しては余り高いレベルの関心を払っていなかった。2016/17年度産の米国産の期末在庫見通しで言えば、1月報告の11.86億Buに対して、市場予測は11.80億Bu(レンジは11.45億~12.11億Bu)であり、最近の良好な輸出統計を受けて需要見通しが若干上方修正される可能性を想定しているに過ぎなかった。何ら修正が行われなくても、全く不思議ではない程度の微調整が市場コンセンサスになっていたのだ。… … …(記事全文4,497文字)
小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~
小菅努(商品アナリスト/マーケットエッジ代表)