□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2015年2月4日第104号 ■ ============================================================== 「罪を償わせる」と公言した安倍首相の末期的危険さ ============================================================== ヨルダンパイロットがイスラム国に焼き殺された。 女性テロリスト死刑囚の処刑がヨルダン政府によって公表されるのは時間の問題だ。 この残虐さの報復の連鎖はもはや戦争そのものだ。 戦争は人間性を奪う。 戦争は勝つことがすべてに優先されるからだ。 すべてが犠牲にされる。 そして日本もまた、かつては、その戦争の非人間性の被害者でもあり、加害者でもあったのだ。 いまこそ冷静になって我々は「テロとの戦い」に向かい合わなければいけない時だ。 ところが、安倍首相は何と言ったか。 イスラム国には「その罪を償わせる」と国会の場で公言した。 これは一国の首相として絶対に口にしてはいけないことだ。 それは、憲法9条を掲げる日本の首相として許されないだけではない。 イスラム国と米国の終わりのない不毛な戦争の一方に日本が加担するかどうかのこのタイミングで、決して口にしてはいけなかった。 あの安倍首相の言葉を批判する事は、イスラム国に加担する事でのなければ左翼の戯言でもない。 あの安倍首相の言葉は、決して日本や日本国民の利益にならないのだ。 安倍首相が、日本や日本国民のために、あらゆる利害得失を考えた上でそう発言したのなら、それは一つの判断だ。 その判断は間違っているが、その判断はこの国の指導者である安倍首相が決める。 それは安倍首相の特権である。 しかし、今の安倍政権には、まともな情報と思考に基づいて、そのような重大な判断を下せる余裕も能力もないことは明瞭だ。 何よりも今の安倍首相に、その二つが決定的に欠けている事は、誰の目にも明らかだ。 そうなのだ。 あの言葉は、自らを批判するものは許さない、批判する者に対してはムキになって敵対してつぶす、という、これまでの安倍首相の個人的、人間性から発せられた、感情的な言葉なのである。 誰が見ても明らかな今度の中東外遊の失敗と、その対応のまずさが、よりによってイスラム国ごときに、世界の前で、名指しで批判され、恫喝された。 これ以上の屈辱はない。 未熟な安倍晋三という政治家にとっては耐えられないことなのだ。 しかし、安倍首相の幼児的な傲慢さは、これまでのように日本国内の安倍批判者に対しては許されるとしても、国際的にはまるで通用しない。 ましてやイスラム国には絶対に通じない。 それどころか完全に逆効果だ。 日本という国が、もはや常軌を逸したイスラム国に対し、戦争をはじめるべきかどうかという歴史的な瀬戸際に、この国の首相が個人的感情に任せて言動することほど、危険で愚かなことはないのだ。 もし、この国の政治家や、官僚や、メディアや、有識者が、安倍首相に逆らうことをおそれて、あるいは保身という低俗な利害から、安倍首相の末期的な暴走を誰一人として止めることができないなら、間違いなく日本は道を踏み誤る。 あの戦争前夜の軍国主義の暴走を止められなかった時とまったく同じだ。 いまの日本の深刻な状況は、いくら警鐘を鳴らしても、鳴らし過ぎることはない。 安倍首相の危険性と異常さは末期的であり、それを制止できない日本は危機的である。 この事を、いくら大声で叫んでも、叫び過ぎることはない(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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