□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年9月30日第683号 ■ ============================================================= 海に廃炉投棄を目論んだ米国とそれを追認した日本 ============================================================= その後誰も問題視しないが、9月26日の朝日新聞が興味深いスクープを 掲載していた。 それは1972年の出来事であり、朝日の記事によれば外務省の極秘外交 文書に基づく情報となっているので、例のウィキリークスとは関係ないと思 われるスクープ記事だ。 しかし、「朝日新聞の請求で公開された極秘指定の外交文書」と書かれて いた。 なぜ外務省が朝日新聞だけにそのような極秘文書を公開したのか、それ とも情報公開法によって極秘解除されるべき外交文書の存在を朝日が突き止 めたのか。 怪訝なところはあるが、いずれにしてもウィキリークスとは関係のない 朝日のスクープ記事である。 しかし、その内容は、ウィキリークスが公開した米外交公電に優るとも 劣らない貴重な情報だ。 放射性廃棄物などの海洋投棄を禁じるロンドン条約(海洋投棄規制条約) という国際条約が1972年に採択されている。 その条約は、放射性廃棄物などの有害物質を海洋投棄することを禁じる 条約であるが、当時すでに大型の商業用原子炉を稼動させていた米国は、 廃炉の処分に困り果て、あげくの果てに海洋投棄しかないと判断して条約 の中に例外規定を設けることを目論んだ。 そして、その目論見を次のように密かに日本側に伝え、日本側の協力を 求めたというのだ。 すなわち、各国の反発が強いことは米国代表団も十分承知しているが、 なにしろワシントン(米政府)の命令が強いので、米代表団は放射性廃棄物 の海洋投棄禁止の抜け道になる緊急条項を提案した。 その際、日本側も、今は水銀とカドミニウムだけを問題にしておられる ようだが、この条項がうまく入れば日本のためにもプラスとなるのではない か、と言って協力を求めてきたというのだ。 これに対し日本政府は明確な対応を取らなかったという。 しかし、次のような当時の外務省関係者の話を聞けば、日本が緊急条項に 理解を示したことは間違いない。 すなわち、当時の日本は水俣病などの公害問題を抱え、原因物質である 水銀やカドミウムについて「コンクリートで固めて深海に投棄すれば安全」 と主張していたのだ。 米国はそんな日本を「よき理解者」とみて協力を求めて来たのだ。 この1972年の極秘情報を知って私はある事を思い出した。 日本が福島原発事故に見舞われて原子炉の冷却に必死だったとき、溜まる 一方の冷却汚染水を海洋に垂れ流した事があった。 後になってあの投棄は米国の命令に従って行なったものだという情報を 内閣参与の平田オリザ氏が韓国で明らかにしたことがあった。 その発言の真偽は例によって曖昧なままにされて終わったが、朝日のこの スクープ記事を読んで、やはりあの話は本当だったのだ、米国は放射能汚染 水をはやく海洋に投棄しろと日本側に求めたのだ、と妙に納得させられる のである。 そうに違いない。 日本側の判断だけで、各国に事前に知らせることなくあのような暴挙を 急いだ理由は他に見つからない。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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