□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年9月30日第682号 ■ ============================================================= 米国の「NPOによる調査報道」を日本でも根付かせたい ============================================================= 9月24日―26日の三日間にわたって東京新聞が「調査報道の未来」 と題する連載を三回にわけて掲載していた。 米国ではNPOによる調査報道が興隆を見せ始めているという記事だ。 私はそれを読んでうらやましく思った。 百の凡庸な論説や解説よりも、たった一つの事実、真実の報道のほう がはるかに価値がある。社会的インパクトがある。 これは私の持論であり、私がメディアに期待するものだ。 私のメルマガも、私のつまらない意見というよりも、事実を紹介し、 真実を追及する事に主眼を置いている。 メディアの劣化が指摘されて久しいが、その最大の理由はメディア から調査報道が消えたことだ。 その代わりに、偏向に満ちた凡庸な論説や、作為的な誘導記事が幅を 利かすようになったからだ。 商業メディアの調査報道が衰退し、それゆえに商業メディアが危機に 瀕しているのは何も日本だけではない。 米国のメディア業界も同様であることを私はこの東京新聞の連載記事 で知った。 しかし日本との大きな違いは、米国では非営利メディアが次々と創設 され、今では全米で約60団体、記者800-1000人にまでに至っ ているという事実だ。 たとえばその一つである調査報道NPO「プロパブリカ」だ。 08年にカリフォルニアのサンドラー財団から年一千万ドル(約7億 7千万円)の資金提供を受けて設立されたこのメディアは、政府の腐敗 や権力の濫用をあばく媒体をつくりたいというのが財団創設者の銀行家 サンドラー夫妻のこころざしによって出来たという。 ワシントン・ポストやニューヨーク・タイムズの記者ら35人を集め、 2010年、11年と連続でピュリツアー賞を受賞して内外を驚かせた という。 私がうらやましく思うのは創設者が報道方針から独立姿勢を貫いて いることだ。 サンドラー夫妻が記事の内容に口出しすることは一切ない、という。 たとえサンドラー財団が政治スキャンダルに巻き込まれたとしても、 それを記事にする、と広報担当者は語る。 なんといっても私がうらやましく思うのは、「ジャーナリズムの 目的は社会変革にある」と言い切る姿勢だ。 そしてこの姿勢こそ米国で生まれつつあるNPO調査報道メディアの 共通のテーマであるという。 たとえばニューヨーク市マンハッタンにある調査報道NPO「シティ・ リミッツ」はスタッフ4人、運営資金年間約70万ドル(5千6百万円) のローカル紙であるという。 しかしその記事は、市民運動だけでなく司法関係や既存メディアにも 影響を与えてきた。その記事を基に法改正の道が開けたという。 「表面的な報道しかできなくなった新聞・テレビに多くの人は不満を 持っている。『公共の利益』に基づき、詳細で深い内容の記事を掲載する 報道は、新聞・テレビの報道を補ってあまりある」(編集長)のだ。 1989年に元CBSプロデューサーのチャールズ・ルイス氏が創設 した調査報道NPOの「センター・フォー・パブリック・インテグリティ」 は、2008年にワシントンのアメリカン大学コミュニケーション学部に 「調査報道ワークショップ」を開設。みずから編集長兼教授となって 調査報道と学生に対するメディア教育の一石二鳥を実現している。 うらやましがってばかりではいけない。 米国に出来て日本にできないはずはない。 「もう一つの日本」づくりは、「もう一つのメディア」づくりに発展 させられないか。 思いはどんどんと発展していく。 暗い世の中を明るい考えで変えていく。これだ。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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