□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年9月28日第678号 ■ ============================================================= オバマ大統領に広島を訪問させなかった藪中前外務事務次官(続) ============================================================= このメルマガは9月27日に書いた第675号の続編である。 個人的こだわりの強いメルマガとなるが我慢してお読みいた だきたい。 オバマ大統領の広島訪問を実現させなかった藪中前外務事務次官の 対米工作を暴露したウィキリークスについて、私は朝日新聞だけが 沈黙を守った不自然さを、そのメルマガで指摘した。 まるで朝日新聞が私のメルマガを読んで反応したかのようだ。 一日たった9月28日の朝日新聞がこのニュースを取り上げた。 しかも事実報道と、社説という二つの記事で取り上げている。 このことから見ても、今回のニュースについての受け止め方が他紙 と朝日とで決定的に違うことがわかる。 朝日にとってはウィキリークスが流す情報はもはや情報ではない。 事前にそのすべてを独占入手していたからだ。 今年の1月にそれを入手した時点ですべて知っていた。 知っていながら公開する情報を選択した。 朝日はその時点でもはや単なる情報を後追い報道するメディアでは なく、ウィキリークス情報の当事者の一人となったのだ。 だから他紙のように単にその情報をそのまま流すわけにはいかない。 それではあまりにも白々しい。 そこで朝日は次のように藪中前事務次官に問いただし、その結果を 書いている。 「藪中氏は27日、朝日新聞の取材に『コメントはしない』と回答 した」 日本政府・外務省はウィキリークス情報についてはその入手方法 が違法の疑いがあるとして一切のコメントをしないとしてきた。 だから藪中前事務次官の回答は当然このようなものになるのだが、 それを百も承知で藪中前事務次官に弁明の機会を与えたということだ。 さらに朝日はこの問題をわざわざ社説でとりあげた。 ウィキリークスが発表した情報は多くあるが、その一つに絞って それを社説で取り上げるとは、よほどのことである。 社説はこう書いている。 外務事務次官がオバマ大統領の広島訪問に消極的である見解を伝え たとしたらどういうことか、『ここに来て事実を知ってください。 未来を生きる子どものために』、これこそ、被曝国日本が世界に発すべ きメッセージだ、外務省はその広報役のはずだ、と。 朝日といえども藪中前事務次官の工作の不適切さを認めざるを得な かったというわけだ。 しかしその後で、巧みに争点をずらせている。 藪中前事務次官への個人批判は避けて、次のようにその社説を締めく くっている。 「今回たまたま、政権交代期の外務官僚の発言が問題になったこと で、あらためて確信する。『歴史のトゲ』は、政治全体で抜いていく しかないのだ、と。」 日米間の原爆観の対立という深刻な問題を、日米間のトゲという表現 で済ませ、それは政治全体で抜いていくしかないと責任分散をはかる。 見事なウィキリークス情報の深刻さ隠しである。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

新しいコメントを追加