□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年9月28日第677号 ■ ============================================================= 野田首相の最強の敵、それは自民党の稲田朋美議員に違いない ============================================================= 二日間の衆院予算委員会を聞いて感じることは野田首相が自らの本心 をまったく語らないことだ。 おそらく今日から始まる参院の予算委員会でも同様の曖昧答弁に終始 して今度の国会は幕引きされることになるだろう。 野田首相にしてみれば無事に最初の国会を乗り切ったことになる。 しかし野田首相には忘れられない質問があるはずだ。 それは衆院予算委員会の初日(9月26日)の最後に行なわれた稲田 朋美自民党衆院議員の質問である。 稲田朋美議員は、なうての国粋主義的な政治家だ。 最近では竹島領土問題について自衛隊出身のヒゲの佐藤こと佐藤正久 議員らと乗り込もうとして韓国から入国拒否された議員である。 その稲田氏議員が藤田首相を褒め殺したのだ。 すなわちA級戦犯は犯罪人ではないという野田首相の過去の発言 (質問主意書)などを引用し、野田首相と自分たちの考えは同じだ、 だから野田首相に期待した。それなのに首相になったとたん、本来 ならばその信念を政策に実現すべきなのに封印してしまった。靖国参拝 もしなかった。何のために首相になったのか、何のために政治家を こころざしたのか、と詰め寄ったのだ。 これに対し野田首相は正面から答えなかった。というよりも答えられ なかった。 なぜならば稲田議員が指摘するように野田首相の国家観は稲田議員の それと根本において同じだからだ。国粋的国家観なのだ。 しかし、民主党は国家観においてまるで正反対の議員が混在する政党 だ。だからいまでも党綱領がつくれないままだ。 その政党の党首になった野田首相が繰り返すのが「ノーサイド」政治 である。 「鳩山さん、菅さんのリーダーシップじゃなく、フォロワーシップ (党のまとまり)に問題があった」(27日の衆院予算委員会での答弁) と言うのである。 個々の政策問題であればまだごまかせる。 しかし国家観にかかわるとなると深刻だ。 ごまかし続けることは自己否定をすることである。 だから野田首相は執拗な稲田議員の質問に顔がこばわり、まわりの 閣僚たちも凍り付いたように沈黙せざるをえなかったのだ。 稲田議員の考え方は私のそれとほとんどすべての点で対極にある。 私が総理なら、その一つ一つについて国民の前で反論できる。 違いを明確にして、国民にその是非の選択を迫ることができる。 ところが野田首相の場合はそうではない。 いみじくも稲田議員が指摘したとおり稲田議員と同じなのだ。 だから反論できないのだ。 だからといって自らの考えで民主党をまとめることもできない。 稲田氏が提起した野田首相の矛盾は、やがてボディーブローのよう に野田政権を打ちのめしていくに違いない。 稲田氏は敵ながら天晴れだ。 あのふてぶてしい質問態度が鮮やかによみがえってくる。 しかし、その稲田氏をここまで増長させたのは民主党である。 政権ほしさだけのために、国家観の違う政治家たちを内包する民主党。 それでも、鳩山、菅首相の場合は、まだ自らのカラーを出そうとした。 彼らが失敗したのはカラーを出そうとしたからではない。カラーを 貫こうとしなかったからだ。 これにくらべはじめから自らの信念を封印してスタートした保身的な 野田首相。 首相を一日でも長く続けるにはそれでいいのかもしれないが、国民に とっては日本の直面する諸問題を何も解決できずに終わることになる。 日本はもっと悪くなり、国民の生活はもっと苦しくなって野田政権が 終わるような気がしてならない。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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