□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年9月26日第673号 ■ ============================================================= 知らずに進む放射線被曝の恐ろしさ ============================================================= 目に見えない。色がない。臭いがない。すぐに被害があらわれない。 おまけに日本の大部分の場所は、深刻な放射能汚染とは関係が無い。 それをいいことに、福島原発事故の被災住民たちは政府や地方行政の 作為、不作為によって、被曝の危険にさらされて生きている。 それを見事に言い当てた記事を、週刊朝日9月30日号の「辛坊治郎 の甘辛ジャーナル」に見つけた。 この辛坊治郎という関西読売テレビ出身のジャーナリストは、権力側 に立つタカ派発言が常であるが、この「辛坊治郎の甘辛ジャーナル」に おいては、時としていい事を書く。 「先日、朝日新聞のローカル面を読んでいて、ぞっとした。目に留まっ たのは、小さなベタ記事だ。『輸出用中古車 放射線を検出』・・・」 こういう見出しで始まるその記事は、我々の知らないところで恐る べき被曝がこの国の政治、行政の怠慢で進んでいる、と警鐘を鳴らして いる。 すなわち、大阪府は堺泉北港から欧州に輸出される予定の中古車1台 から、1時間あたり53・28マイクロシーベルトというとてつもない 放射線量が検出されたと発表した。 これは1年間にあびる放射線量に換算すると、466ミリシーベルト。 年100ミリシーベルトでがん死亡率が0・5%上がるという通説に従う なら、とんでもなく高レベルの汚染車が市場に出回ったことになる、と。 そのうえ、これが発覚したのは、日本からの輸入品の放射線検査を義務 付けている外国の規制に対応するために輸出業者がたまたま自主的に検査 したからだという。 なぜそのような中古車があらわれるようになったかといえば、政府は 牛肉や野菜などの食品については国の規制値を決めているが、それ以外の モノについては検査がなきに等しいからだ、と。 おまけに政府の汚染地域立ち入り禁止が杜撰であったことや、政府・ 東電の賠償が不徹底であるからだ、と辛坊氏は言うのだ。 政府が汚染車をすべて買い取ると発表していれば出回らなかったもの が、そうしなかったため汚染車をごまかして販売する者が出てきたのだ。 そして辛坊氏は次のように言う。 現在福島では「除染」が大きなテーマになっているが、除染では根本的 な解決にはならない。どう考えても除染で解決できない区域があり、そこ は「もう住めない」と宣言すべきであるのに、感情論や巨額の補償額を おそれて、それを政府は言い出さない、と。 政府がしっかりした方針を出さない中で、被災者が、自らの損を最小に したいと思うのは自然の成り行きで、放射能汚染された食物が出荷された り、高度汚染の中古車が見つかったりするのもそのためだろう、と辛抱氏 は喝破するのだ。 そして辛坊氏は言う。中古車の例はたまたま見つかったからわかったが、 知らずに出回っている放射能汚染品が他にもあると思うとぞっとする、と。 最後に辛坊氏はこう締めくくっている。 「今、この国では恐ろしいことが進行しているのかも知れない」。 その最たるものは、福島の子供の被曝に違いない。 我々は黙ってそれを見過ごしていいのか。 この問いかけをすることこそ大手メディアの責任であるのに、大手メデ ィアはもはや本当の事を国民に伝えなくなった。 権力側についてしまった大手メディアの姿がそこにある。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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