□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年9月22日第665号 ■ ============================================================= 産経新聞の日米安保改定提言を嗤う ============================================================= 何をトチ狂ったのか知らないが、9月22日の産経新聞がいきなり 日米安保条約の改定案を発表した。 2ページ全面見開きを使っての熱の入れようだ。 それは、これまでの片務的な日米安保条約を改定し、日米両国が アジア・太平洋全域において、お互いに基地・施設を提供し合い、 集団的自衛権を行使し合って、共通の敵と戦えるようにする改定案だ。 日米が完全に対等な相互防衛体制を確立するという案だ。 地域をアジア・太平洋に限り、米国の中東での戦争には巻き込まれ ないように巧みに逃げているところがいかにも情けない。 それにしてもと思う。 いくら産経新聞が極右、反中のイデオロギー紙であるといっても、 曲がりなりにも全国紙である。 このような非現実かつ日本に都合のいい中途半端な改定案を恥ずか しげもなく真顔で掲げたものだ。 これは米国が歓迎しない。 米国は日本との対等な軍事協力協定など認めるはずがない。 米国が欲しいのは、好きな時、好きな日本の国土に、好きなだけの 米軍を展開する権利を確保することだけだ。 日本の自衛隊を米国の戦争に自由に使える命令権だけだ。 戦争で赤字まみれになった米国破綻財政を穴埋めする資金を日本に 負担させることだけだ。 産経新聞案のような対等案など米国が許すはずはない。 米国が許さないものを日本政府が認めるはずはない。 だから私はこのような産経新聞の日米安保条約改定案などまともに 付き合う気はしない。 しかし、私が驚いたのは、この産経新聞の日米安保条約改定を作成 した「特別研究チーム」のなかに、佐瀬昌盛防衛大学校名誉教授や坂元 一哉大阪大学教授らおなじみの産経おかかえ学者と並んで、この間まで 日本外交の政策責任者であった谷内正太郎外務事務次官が名を連ねて いたことである。 私が驚くのは、彼の考え方が平和憲法9条を守るべき公務員の憲法 順守義務に違反するからだけではない。 彼の考えは日米同盟を重視する対米従属の外務省の考えに背馳する からだ。 外務省の伝統的な考え方に反する考えを持っていた人物が、その 本心を隠して日本外交を取り仕切っていたのだ。 その元外務事務次官が外務省を離れたとたん、外務省が避けようと する日米安保改定に加担し、それを提言しているのだ。 外務省は組織として完全に狂ってしまった。 しかし、私はこの産経新聞の日米安保改定案の公開を歓迎する。 これをきっかけに皆が日米安保条約の改定案につき論争を始めれ ばいいのだ。 論ずれば論ずるほど日本外交の矛盾が露呈する。 あるべき日米同盟の姿につき不一致が露呈する。 その不一致は、なにも護憲派と改憲派の不一致だけではない。 改憲派の間で意見が対立してお互いを罵りあうことになる。 議論すればするほど、憲法9条の偉大さに気づかされることになる のである。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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