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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

いまこそ集団的自衛権論争を国民的論争にすべき時だ  
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年9月10日第628号 ■     =============================================================    いまこそ集団的自衛権論争を国民的論争にすべき時だ        =============================================================  日本の政策を決定する立場に立った民主党政権の前原政調会長が ワシントンでの講演で集団的自衛権を容認するかの如き発言を堂々と 行なった。  はたしてこれを契機として日本国内で集団的自衛権論争が高まる だろうか。  おそらく高まらないだろう。  わが国の護憲政党や護憲論者は、もはやすっかり安保論争をしなく なったからだ。  そうであれば残念だ。憲法9条の深刻な危機だ。  集団的自衛権の容認はもはや自民党の党是となっている。  菅内閣の諮問機関であった「新たな時代の安全保障と防衛力に関す る懇談会」も、昨年8月の報告書では集団的自衛権の容認を提起して いる。  そして前原民主党政権の政策決定権者がこうして米国で集団的自衛権 行使を提唱してなお日本の政治が、そして国民がそれに異を唱えない ようでは、もはやわが国の安全保障政策において集団的自衛権行使 の容認は今後ますます当然視されていくだろう。  集団的自衛権の行使をそんな形でなし崩し的に容認してしまっていい のか。  断じてそうさせてはいけない。  少なくとも国民的議論を経た上で、国民が納得する形で、わが国の 安全保障政策は決められなければならない。  集団的自衛権行使の是非を考える上で重要な視点を与えてくれる 論説を見つけた。  週刊「経済界」の9月20日号において軍事評論家の田岡俊次氏が、 「米国との関係で日本はなぜ集団的自衛権の行使を認める必要がある のか」という質問に対し、次のように答えている。  すなわち、「日米安保条約は片務性(米国は日本を守るのに日本は 米国を守らなくてもいいことになっている)であり、これを改めて 日本も米国とともに戦えるようにしなくては本当の意味での日米同盟 にはならない」という俗論に対し、田岡氏は次のように答えている。  日米安保条約が片務性という批判そのものがそもそも誤りだ。米国 が日本を守る代わりに日本は米軍に基地・施設を133箇所も貸し、 基地従業員の給与、施設の建て替え、電気・水道料金など維持費を ほぼすべて負担している。これは決して片務的ではない。日米安保 条約はそういうものなのだ、と。  ここまでは誰もが指摘することだ。  その上で田岡氏は次のように言う。  これがこのメルマガで私が読者に紹介したいポイントである。  すなわち日米安保条約は「日本国の施政の下にある領域」に対して 武力攻撃があった場合、米国は日本のために共同対処する、とある。 もしこの規定を明確な相互防衛義務にしたいのなら、日本は「アメリカ 合衆国の施政権下にある領域」、つまり米国本土やハワイ、グアムが 攻撃を受けた場合に戦うだけでよい。決してイラクやアフガンに出向い て米国を助ける義務は日米安保条約上からは出てこない、と。  その上で田岡氏は言う。  国際関係は「相互主義」が原則だから、相手が日本の領域を守る のに協力するなら、こっちも米国の領域を守ることに協力してもよい。 しかし防衛義務で対等にするなら、基地提供義務も対等にし、米国に 自衛隊専用港を2箇所、飛行場を6箇所ほど設け、その維持費も米国 の負担としなければバランスは取れないことになる。日本の米軍基地 を全廃するというのなら、それはそれで筋が通るけれど・・・  これはもちろん「為にする議論」だ。田岡氏はそれをわかって 言っている。  しかしこれほど見事に「集団的自衛権を認めないと米国から信用され ない」とする日米同盟推進論者、憲法9条改憲論者の欺瞞を喝破した ものはない。  すなわち集団的自衛権は日米がお互いの領土を相互防衛するために 必要なのではない。  米国は自らの領土を守るために日本の自衛隊の協力など決して必要 としていない。  米国が勝手に始める戦争のためにこそ日本の協力が必要なのだ。  米国の戦争に自衛隊が協力できるようにするために集団的自衛権の 行使が容認されなければならないと前原氏らは言っているのだ。  それはもちろん日米安保条約を超えたものだ。  日米安保条約を作り直す必要がある。あらたな条約が必要となる。  集団的自衛権容認論者はその覚悟があるというのか。  なによりも日本の防衛省や自衛隊は米国とともに共通の敵と戦う 覚悟があるというのか。  集団的自衛権容認を軽々しく口に出す前原氏や対米従属者たちに 今こそその事を質さなければならない。  国民は集団的自衛権の行使に賛成するのであれば、それを知った 上で賛成しなければいけない。                             了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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