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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

 ハッサン・ナスララの言葉  
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年9月7日第621号 ■     =============================================================    ハッサン・ナスララの言葉        =============================================================  この言葉を紹介したいためにニューズウィーク日本語版8月31日号 を買った。  その中の記事にレバノンの反米、反イスラエル武装抵抗組織ヒズボラ の最高指導者ハッサン・ナスララの次の言葉を見つけた。  忘れかけていた中東の武装抵抗が私の脳裏に蘇った。  「特別法廷は30日、30年、あるいは300年たっても、被告を 見つけて逮捕することは出来ないだろう」。  この言葉の背景にあるのは2005年に起きたレバノンの首相、 ラフィク・ハリリ暗殺事件だ。  その犯人を特定するために国連に特別法廷が作られた。  国連特別法廷は当初犯人をレバノン大統領側近と見なして逮捕した。  シリアの支配下にあるラフード大統領が、シリアに反発する親米派の ハリリ首相を殺させたというわけだ。  それはありうることだと誰もが思う。  イスラム教スンニ派のハリリ首相とキリスト教マロン派のラフード 大統領は主導権争いでことごとく対立していた。  しかしレバノン人は皆イスラエルだと内心思っていた。  レバノンでの暗殺事件にはすべてイスラエルが関与してきたからだ。  シリアを犯人に仕立てあげ、シリアをレバノンから追放し、レバノン の反米、反イスラエル抵抗組織ヒズボラを叩くためだと思うからだ。  事実、その後シリアはレバノンから撤退し、その後でイスラエルの ヒズボラ攻撃が始まった。  イスラエル犯行説を裏付けるかのようにまことしやかに囁かれた事が ある。  大富豪のハリリ首相は移動の時には常に4台の車のコンボイを組んで どの車に乗っているかわからないようにしていた。  移動ルートにはドイツ製の防御システムを張り巡らせて爆破探知を していた。  そのような厳重な警備を破ってすべての車を爆破させる技術を持つ者 は中東ではイスラエルをおいてない。  ハリリ暗殺事件の第一報が流れた時、もっとも驚いたのがドイツの警備 会社であったと囁かれもした。  果たせるかな、当初逮捕されたレバノンの高官たちは証拠不十分で釈放 された。  その替わりに浮上したのがヒズボラの軍関係者4名である。  真相はもちろん誰もわからない。  しかしヒズボラ犯行説はもっともあり得ないことだ。  ヒズボラは間違いなくテロ組織だ。しかしヒズボラのテロの対象は あくまでも米国、イスラエルに限定されている。  ヒズボラがハリリ首相を暗殺するメリットはどこにもない。  だからと言って国連特別法廷がイスラエルの犯行であると判定できる はずはない。  そこでスケープゴートにさせられたのがレバノンのテロ組織ヒズボラだ。  こんな見え透いた米国、イスラエル主導の不正義だけは許せない。  そこで出てきたのが冒頭のハッサン・ナスララの言葉である。  ヒズボラの同胞を決して米国やイスラエルの陰謀のスケープゴートに させはしない。  ハッサン・ナスララは世界にそう宣言したのだ。  ヒズボラを正義であるというつもりはない。  しかし米国、イスラエルが中東で行なっている事は絶対的な不正義である。  不正義だけは絶対に許さない。  そう宣言したハッサン・ナスララの冒頭の言葉に、私は忘れかけていた レバノン情勢をあざやかに思い出した。  ハリリ首相もラフード大統領もナスララ師も何度も会った人物たちだ。  命がいくつあっても足りない世界がレバノンでは今も繰り返されている。                                 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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