□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年8月31日第602号 ■ ============================================================= 消えてなくなるこの国のイラク戦争支持の検証作業 ============================================================= 8月29日の毎日新聞の「ニュース争論」で、元防衛省官僚で内閣 官房副長官をつとめた柳沢協二氏と、若手保守学者の細谷雄一慶応 大学教授(外交史)の二人が、イラク戦争を支持した小泉政権の判断は 正しかったのかと論じ合っていた。 私が注目したのは、細谷教授がイラク戦争は米国の戦争であって 決して国際社会の戦争ではなった、と明確に述べている点だ。 対米協力の論理から、その正統性が疑わしくとも、ともかく戦争を 支持した、それは日本としての主体性を放棄することだった、と述べて いる点だ。 それにもまして私が注目したのは、あのイラク戦争支持の政策決定に 携わっていた柳沢氏が、過去を振り返って自らの誤りを次のように認め ていることだ。 「イラク戦争が始まり、防衛研究所所長として専門家を集めてフリー ディスカッションを何度も開きました。日本の安全のためにも米国を 支持すべきだというのが私の結論でした。その後官邸でイラクの自衛隊 を統括する立場になりましたが正直心配ばかりしていました・・・ 米国の路線は破綻したと思えるのに、日本は今も同盟にしがみついて います・・・」 日本の防衛・安保の政策責任者の一人が、ここまで公言するように なったのだ。 あの戦争を支持したことが誤りであったことは、10年近くたって やっとここまで皆が認めるようになった。 この記事を読んだ私はすぐに思い浮かべた。 イラク戦争支持の当時の政府の決定を検証する目的で昨年12月2日 に作られたイラク戦争検証議員連盟は、その後何をしてきたというのだ ろうか、と。 政治が平和外交を取り戻す方向で機能しているのか、と。 その議員連盟会長は社会党出身の民主党議員である斉藤つよし氏だ。 菅首相の動静を伝える最近の記事は、国政をそっちのけでどれもこれも 側近を招いた慰労会ばかりだ。 その常連が国対副委員長として最後まで菅首相を擁護した斉藤つよし氏 である。 対米従属に徹してなお米国に相手にされることのなかった菅首相を最後 まで無条件に支え続けた政治家に、イラク戦争の検証ができるはずはない。 そしていよいよ真性親米保守である野田民主党政権が誕生する。 文字通りわが国のイラク戦争支持検証は封印されてしまうことになる。 この国には本物の護憲政治家はただの一人もいないということである。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

新しいコメントを追加