□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年8月24日第595号 ■ ============================================================= バイデン米副大統領の訪日記事から読み取ったこと ============================================================= およそ想定したとおりの不毛なバイデン米副大統領訪日報道であった。 もちろんこのタイミングで日本を訪日すること自体が無意味であった。 しかし、その不毛な訪日を報じる日本のメディアは、それに輪をかけ たようにもっと不毛であった。 独自の取材力もなく、気の利いた解説記事も皆無だ。 すべては政府発表の通り、日米両国政府は、どんな政治状況でも、誰 が首相になっても、「日米同盟を加速させ、普天間飛行場の名護市移設の 日米合意を推進する」、ということになる。 そんな不毛な日本の報道の中にも、いくつかの興味深い情報はある。 ひとつは、菅首相が、「国内の政治情勢で訪米できなくなり、非常に 残念だ」と述べたということだ。 決して「自分が退任することになったから」とは言わなかった。その時 の菅首相の顔には「悔しさがにじんでいた」(外務省幹部)という(8月 24日東京)。 二つには、民主党代表選候補者の乱立があり、どの候補者もバイデン 副大統領と会わなかったということだ(8月24日産経)。 衆目が一致する候補者が決まっていればもとより、たとえ候補者が決ま っていなくても有力候補者が2、3名に絞られていたら、これが自分の 後継者だと紹介して顔つなぎをする事もできた。 そこで顔をつないでおけば、その候補者が首相になって訪米する時に 話は弾む。 こういう事は首脳外交では重要なことであるがこれさえもできなかった。 習近平国家副主席とバイデン副大統領の会談が有意義であったと報じられ ている事と比較すればあまりにも対照的だ。 三つ目は、バイデン副大統領と日本国民との接触の機会がなかった事だ。 確かに被災地宮城の架設住宅を訪れた写真が大きく報じられてはいる。 しかし実際は自衛隊出身の村井宮城県知事や自衛隊関係者が主体のわずか 200人程度の日本人を前にした仙台空港での演説の場である。 米国の副大統領が訪日するのであれば大学や公共施設での講演が設定 されるのが普通であるが、この点についても今回の副大統領の訪日における 日本側の熱意不足は否めない。 そんな中で、私が好感をもって読んだ唯一の事がある。 それは朝日新聞と読売新聞が報じていたバイデン大統領の次の言葉だ。 被災者と懇談した際に語ったという。 ・・・バイデン氏は事故で妻子を失った経験がある。「周りの人は『時間が たてば立ち直れる』というが、それは違う。私は皆さんの気持ちがよくわかる」 といたわった・・・(朝日) ・・・副大統領は、自宅に雷が落ちて家が焼けた被災体験を語った上で、 「仮設はただの『ハウス』。心安まる『マイホーム』を建てるよう頑張って」と 被災民を激励した・・・(読売) このような言葉が口に出てくるバイデン副大統領に私は好感を持つ。米国の 政治家らしさを感じる。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

新しいコメントを追加