□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年8月17日第584号 ■ ============================================================= 中国とイスラエルの関係強化が意味するもの ============================================================= 今日(8月17日)の報道のなかで私がもっとも注目したのは 中国とイスラエルの軍事協力関係強化である。 中国人民解放軍のトップである陳へい徳総参謀長が8月14日- 16日にかけて初めてイスラエルを訪問し、ペレス大統領をはじめ バラク国防相、ガンツ参謀総長らと会談したという。 イランやパキスタン情勢、パレスチナ和平、テロ対策について意見 交換し、中国とイスラエルの関係強化について話し合ったという。 私が注目したのは8月17日の読売新聞の次のくだりだ。 「イスラエルは米国に配慮して中国への軍事技術供与については 慎重な姿勢を取っている。ただ、敵対するイランに対して影響力の ある中国とは良好な関係を築く必要があり、対米関係をにらみながら (中国との)関係強化を図る方針と見られる」 中国はイスラエルカードを米国に対して切ったのだ。 イスラエルの最大の関心はアラブの反イスラエル勢力(テロ)から 国の安全を守ることだ。 その為には、イスラエルにとっては、テロやそれを支援するイラン などの反イスラエル国と中国との関係が死活的に重要になる。 中国がテロ側に立つかイスラエル側に立つか、それによってイスラ エルの将来が決まると言っても過言ではない。 すくなくともイスラエルはそう考え始めたようだ。 もはや中国は、イスラエルを支持するのが当然である米国よりも、 イスラエルにとって重要になりつつあるのだ。 衰退する米国と台頭する中国の国力の勢いを考えても、イスラエル にとっての中国の重要性は高まる。 中国はそれを知っている。 そのイスラエルの弱みを知った上でイスラエルに近づき、イスラエル を通じて米国を牽制しようとするのである。 米国は中国がテロとの戦いに協力する限り中国と敵対できないのだ。 ユダヤロビーがそれを許さないのだ。 私の関心はこのような中国外交のしたたかさにあるのではない。 米国と中国がテロとの戦いで結束すればパレスチナに正義は来ないと いう絶望だ。 米国と中国が軍事的に結託すれば世界の弱者に救いはない。 かつて私が南アフリカの黒人解放問題を担当していた時、中国の黒人 差別を目の当たりにした。 中国はまたアラブ人(パレスチナ人)に対しても差別的だ。 自らの覇権主義を優先し、人権を低く見る。 私が中国に対して厳しいのはまさにこの点である。 米国と中国は、覇権主義を目指すゆえにぶつかり合う宿命を持っている。 しかし、覇権主義国家同志の親和性もまた確かに存在するのである。 これが国際政治の現実である。 日本のピント外れは、この点を知ってか知らずか、米国の口車に乗って 反中国の先頭に立たされていることだ。 反中国か親中国かの二つしか存在しない日本は国際政治の中では脆い。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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