□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年8月16日第581号 ■ ============================================================= 今頃になって原発事故賠償条約に加盟しようとする不思議 ============================================================= 8月14日の日経新聞が注目すべき記事をさりげなく書いていた。 それは菅民主党政権がいまごろになって原発事故賠償に関する国際 条約に加盟する方向で調整に入ったという記事だ。 日本はこれまで原発事故賠償に関する国際条約に一切加盟してこなか った。その最大の理由は日本が原因で原発事故が起きることはない、と いう安全神話だったということらしい。 ところが福島事故を起こしてしまった。 国内賠償でさえ大変なところに、もし外国から訴訟を起こされたら 大変だ。 国際条約に未加盟なため訴訟国の裁判管轄権に服さなければならない。 法外な賠償金を要求されたら国が破産する、などとかつて報道されたこと があった。 それにもかかわらずその報道は立ち消えになって菅政権は具体的な手を 打とうとしなかった。 それが菅政権の末期になって急遽加盟の動きを見せ始めたというのだ。 これだけでも不思議であるのに、日経の記事を読めばもっと不思議だ。 一つは、たとえ今回あらたに条約に加盟しても、福島事故には適用され ないということだ。福島事故に適用されないことを承知の上でなぜ加盟を 急ぐことになったのだろうか。 二つは、今回加盟を検討している条約は米国主導の国際条約だけである という。しかもその条約は現時点では米国とモロッコ、ルーマニア、アル ゼンチンの4カ国しか加盟しておらず、発効の必要条件である「5カ国以上」 を満たしていない条約であるという。日本が加盟して初めて発効条件を満た すわけだ。 ほかにも欧州連合(EU)やロシアが主導する条約もあるが見向きも しない。 こんなことで将来起きるであろう福島原発事故に関する国際的な損害賠償 訴訟に対応できるのだろうか。 そう思っていたら、日経はその解説記事の中でこのように書いていた。 「日米両国がそろって新興国に条約加盟を促し、原子炉メーカーに賠償責任 が及ばないようにする法整備を求め、原発輸出を進めやすくする狙いもある」 なるほどこれが本音なのだ。 どこまでも米国の命ずるままに動く菅民主党政権である。 脱原発などうそっぱちである。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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