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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

 昭和天皇は神ではなかったのか  
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年8月14日第574号 ■     =============================================================    昭和天皇は神ではなかったのか        =============================================================  終戦記念日が近づくときまって戦争特集記事が組まれる。  そしてその特集記事においては、昭和天皇はなぜあの戦争を始め たのか、なぜもっと早く終わらせられなかったのか、という素朴な 疑問が呈せられる。  8月14日の日経新聞書評欄に伊藤之雄(ゆきお)著の「昭和天皇伝」 (文芸春秋)の書評を見つけた。  その評者であるノンフィクション作家工藤美代子氏も、その書評を同様 の書き出しで始めている。  そして工藤氏はこの伊藤氏の「昭和天皇伝」を次のように評価している。  ・・・これまで多くの昭和天皇伝は、著者に過剰な思いいれがあったり、 戦争批判をそのまま天皇に結びつけたりして、なかなか客観的な描写が出来 ないケースが多かった。従ってあまりにも多くの天皇像が世上に流布して いた。  本書は執筆対象に対して一定の距離を保ちつつ、出来る限り綿密に現存 する文献を検証し、天皇の内面を描き出すことに成功した。その意味では、 ようやく機が熟し、天皇を公正な眼で見られる時代が到来した・・・  著者が何度も繰り返しているように、若い頃から昭和天皇は張作霖爆破 事件に端を発するさまざまな危機を体験して人間としての円熟味を増して ゆく。その成長過程を追体験する事によって、読者は日本と言う国家が直面 した、あの戦争と敗戦、そして戦後の復興という大河の流れを実感できる。  天皇が「生真面目で少し潔癖すぎる」といった性格の分析もさること ながら、戦争に突入する際に、いかに微妙な形で政治関与をしたか、あるい はせざるを得なかったかは、非常に興味深いポイントである・・・  「昭和天皇伝」の著書そのものについては、私はいまだ読んでいないの でここで論ずる資格はない。  しかし、工藤氏が述べる上記のような書評はおかしくはないか。  戦後66年たっても昭和天皇についての客観的評価が定まらないのは、 知りうる資料がありながら、それが政府の手ですべて公表されてこなかった からではないのか。  それにもかかわらず、研究者の努力によって天皇とあの戦争の開始、終結 のかかわりは、もはやかなり客観的に明らかにされているのではないか。  問題は、誰もそれを明言しないだけではないのか。  それよりも何よりも、昭和天皇は終戦前までは人間ではなく神だったので はないか。  だからこそ、神の名の下に国民はあらゆる困難を甘受する事を強いられた のではなかったか。  その神が、「人間としての円熟味を増して行く」とか、「生真面目で少し 潔癖すぎる」というのは、どういうことなのか。  神が一夜にして人間宣言をして人間となる。  この日本の歴史の矛盾とそれを受け入れてきた日本国民。  この事を後世に語り継いでいくことこそ、あらゆる「昭和天皇伝」の本質 であると私は思っている。                              了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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