□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年8月10日第567号 ■ ============================================================= オバマ大統領の落日 ============================================================= 世の中不思議なものだ。 いや、うまく出来ているのかも知れない。これを称して天網恢恢疎に して漏らさずというべきなのか。 あれほど熱狂的な歓迎で迎えられたオバマ大統領が、4年の任期を一年 あまりも残した今、かくも惨めな姿をさらしている。 それはあたかも日本の民主党政権が、鳩山首相の「これは革命だ」と いう高ぶった言葉で登場し、300を超える議員を前にして「壮観だ」と 悦に入った時からわずか二年足らずで、かくも国民の期待を裏切って失墜 した政党に成り果てた事と重なる。 いや、オバマ米国の落日のほうがはるかに深刻である。 世界に与える影響が違う。 対米従属に終始してきた日本が受ける影響はもっと深刻だ。 私が「オバマ大統領の落日」と形容した理由は、最近の彼の二つの演説 を聞いた事にある。 ひとつは米国が格付け会社から史上初の格下げ評価をされたことに反発し、 米国は誰が何と言おうとトリプルAだ、と強弁したことである。 これは根拠なき強がりだ。 あるのは軍事力を背景とした米国の覇権主義である。 米国は世界の指導国だという思い込みだけである。 二つ目は、そしてこれこそが私がオバマ大統領に失望させられた事なのだが、 一旦宣言したアフガニスタン撤兵をいとも簡単に撤回したことだ。 8月6日に北大西洋条約機構(NATO)軍のヘリコプターが撃墜され、多く の米兵らが犠牲になった。 その中には「テロとの戦い」に勝利宣言する根拠となったオサマ・ビン・ ラデン殺害の軍人も含まれていたという。 だからだろう。許せない。テロとの戦いを続けなければならない。と気色 ばんだというわけだ。 オバマ米大統領は8日、「我々の兵士たちは、アフガンをテロリストの安全 な隠れ家としないために働き続ける」と述べ、オバマ政権としてアフガンの 治安維持に引き続き関与していく考えを強調した。 どうして金融資本主義の行き過ぎを反省しないのか。どうして、「それでも アフガン撤退に変わりはない」、「テロとの戦いは間違いだった」と言えなか ったのか。 物知り顔は言うだろう。大統領選挙で再選されるためには強い米国を演出し なければならないと。 いや、オバマは後ろに控えている軍需産業や金融資本の操り人形だ、それに 歯向かう事をすれば命がいくつあっても足りないと。 そうだとしたらなおさら私はオバマ大統領に失望する。 大統領選挙に負けようとも、自らの命を失うことになろうとも、信念があれば それを貫徹できたはずだ。 大統領という世界最強の権力者を目指した時点でその覚悟はあったはずである。 心が曇った時、権力者はその権力に負ける宿命にある。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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