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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

 報道されないところに厳粛な真実がある  
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年8月9日第566号 ■     =============================================================   報道されないところに厳粛な真実がある        =============================================================  書く事に疲れるほど絶望的になることがある。そんな時はユーチューブ で好きな音楽を探してしばし現実を忘れることにしている。  今夜は、岡千秋の「波止場しぐれ」とデーブ・ブルーベックの「テーク・ ファイブ」とルドルフ・サルキンのベート-ベン・ピアノソナタ31番だ。  大手新聞やテレビは決して報道しない。いや、週刊誌や雑誌さえも書か ない。  それでもこの世の中には報じられない無数の現実があり、矛盾がある。 権力者の絶対悪がある。  あまりにも悲惨で理不尽だが、弱者ゆえにその声は届かない。誰もその 現実を正そうとしない。  そんな日本の暗部を書き続けている異端のマイナー雑誌の一つに「紙の 爆弾」 という月刊誌がある。  私が密かに応援している雑誌の一つだ。    その「紙の爆弾」9月号に、3・11東日本大震災、政府が発表しない 「本当の死者数」というルポルタージュがある。  その記事は要旨こう書いている。  ・・・今回の震災の死者数には重大な欠陥がある。政府が発表する死者 数や行方不明者数は間引きされて報道されている。確認され、届出のあっ た数字だけが死者数ではない。カウントされない死者がたくさんいる。 おまけに、自殺者や孤独死など、二次的死者数は決して震災被害者には含 まれない。しかも、これらは今でも現在進行形だ。死の予備軍が急増して いる・・・  そうなのだ。報じられるにはあまりにも厳しい現実がある。  それにもかかわらず、私も含めて、幸いにも今度の被災を免れた多くの 国民はそれにどれだけ気づいているのか。その犠牲者たちの事を自分に重ね て思う余裕があるのか。  次の言葉は、自殺対策相談センターの職員の証言であるという。  「(自殺者予備軍は)今までは暗い声でボソボソ話すような相談者が典型 だったんですが、今は第一声が泣きながらだったり、やけになって叫ぶよう なものなど、思い悩んでいるというより、生死の危機が切迫しているという 深刻な感じを受けます・・・家族をたくさん失って希望も何もないという方 や、震災で家も会社も流されてしまいポケットの700円が全財産だという 方、あまりに絶望的な状況にあるため、その場の説得だけで自殺を思いとど まらせるのは困難・・・今の相談者の『死の距離』は、今夜自殺してしまう とか、下手をすれば一時間後、10分後に自殺してもおかしくない緊急性の 高い人ばかり・・・」  ある被災者は昨年新築住居を約3200万円で購入、妻と子の家族三人 で暮らしていたが、わずか1年で住居はがれきの屑となった。子供が行方 不明のまま妻は錯乱状態で会話もままならない。自らも負傷の後遺症で歩行 困難だ。当然のことながら住宅ローンはまるまる残る。  その被災者は次のように語る。  「子供を失って、ただでさえ頭がおかしくなりそうですが、金融機関に 相談に行ったら、金利を1%下げるとか、返済期間を3年延長できるとか、 そんな焼け石に水みたいな説明を受けました。つとめていた会社も工場の 崩壊で事実上の倒産、再就職できたとしてもローンを払いながら生活できる ような収入が得られるわけもない、何を夢見て生きればいいのか、人生は終 わった状態です・・・」  震災後5ヶ月近くたち、このような被災者の生活は何一つ解決していない。  政権延命に必死になる首相や、それを降ろそうと政局に明け暮れる政治家 たち。  政治の混迷を横目に見ながら責任が及ぶことを恐れて何もしようとしない 官僚たち。  業績回復ばかりを語る財界人たち。  高給をもらいながら、頑張れ、絆だ、などと掛け声をかけるだけの、みの もんた、古舘伊知郎をはじめとした司会者や、誰でも出来るコメントを並べ るだけの解説者たち。  これが現実なのだ。不条理なのだ。  テレビに溢れる馬鹿騒ぎや馬鹿番組は、この不条理から目をそらすために のみあるのではないか。  しかし本当にどうにもならないのか。  そうではないだろう。  被災者一人を救う事に予算と権力のすべてを使い尽くす。  その覚悟が政治にあれば状況はまったく違ったものになっているはずだ。  菅民主党政権の最大の責任は、自らのことばかりを語り、本気で国民を救って 見せるという意識と覚悟が完全に欠如していることである。                                 了 ─────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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