□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年7月30日第544号 ■ ============================================================== ワルの上を行く国家権力の巨悪 ============================================================= 原発事故以来、すっかり沖縄問題をメディアは取り上げなくなったが 普天間問題は何も解決していない。 それどころか国民の知らないところで菅政権の対米従属外交は進む。 来日したマレン米統合参謀本部長は都内で記者会見を開き、中国の弾道 ミサイルが沖縄の在日米軍基地を攻撃する能力を持つようになったとして、 「米軍は抑止力となるような強力なプレゼンスを維持しなければならない」 と沖縄に米軍が駐留し続ける必要性を強調した。 その同じ日に菅首相はマレン統合参謀本部長と首相官邸で会談し、 「(震災支援で)日米同盟の重要性を再認識できた。支援は永久に忘れない」 と伝えている(7月16日読売)。 北沢俊美防衛相は7月16日、パネッタ新国防長官と電話で協議し、 普天間基地の辺野古移転を推進することを確認した(7月17日日経)。 その一方で菅政権は、県民の知らないところで鹿児島沖の無人島である 馬毛島に新たな自衛隊基地を建設し、それを米軍空母艦載機の離着陸訓練に 提供する約束をしている。 当然のことながら鹿児島は納得しない。伊藤祐一郎知事は7月25日防衛 省を訪れて抗議している。県議会も全会一致で反対議決をしたという(7月 26日毎日)。 馬毛島の動向からは目が離せない。 しかし、今日のメルマガで言いたい事はその事ではない。 かつてこのメルマガで書いた馬毛島の所有者である立石勲が今どのような 状況に置かれているかということである。 すなわち立石氏は、かつて自衛隊の幹部からこの無人島の戦略的重要性を 聞きつけて、15年かけてその島を買占めて来た人物である。 無人島の自然環境を破壊し、防衛利権で金儲けしようとする、そんな立石 氏を私はメルマガで批判した。 ところがその立石氏が気の毒に見えるほどそれを上回る巨悪がいる。 それを糾弾するのが今日のメルマガの趣旨である。 わが愛読紙の一つである日刊ゲンダイは、その創設以来、時の権力者を批判 して右に出るものがない反権力紙であり今は菅首相を繰り返す。 最近ではどの日の紙面も菅批判のワンパターンであり、菅批判者の私もさす がに飽きるほどであるが、日刊ゲンダイの魅力は、時折見つける貴重な情報提供 記事にある。 7月後半から始まったシリーズ「マルサの事件簿」の連載もその一つである。 その連載(15)(7月25日)において極めて注目すべき記事を見つけた。 その記事によればあの立石勲氏が、2010年5月27日に東京国税局に法人 税脱税の疑いで刑事告発されていたというのだ。 すなわち防衛省は、普天間問題との関連で、馬毛島を国有化し自衛隊の基地に した上で、米軍に訓練場として提供したいと考えていた。 そこで立石氏に馬毛島の譲渡を持ちかけた。 ところが莫大な資金と歳月をかけて馬毛島を飛行場用地として開発してきた 立石氏にとっては、政府が提示する安い値段で売ってしまったら大損だ。ここは 一つ政府に貸すという形にして長年にわたって投資した資金を取り戻さなくては ならない。 立石氏は、「譲渡はしない、賃貸だ」、と政府(防衛省)の要求に応じなか った。 その矢先の脱税告発である。立石氏は在宅起訴の上、4億3000万円の追徴 課税を支払わなければならなくなった。 おまけに馬毛島開発の為に受けてきた銀行から融資の返済が残っている。政府 の依頼を受けたのかどうかは確認のしようがないが、急に返済採り立てが厳しく なった。いわゆる貸しはがしである。 立石氏は支払い不能で無人島を手放すしかないように追い込まれたというのだ。 立石氏は「馬毛島の譲渡を断ったことに対する日本政府の仕返しと感じている」 と悔しさをにじませているという。 世の中にワルはたくさんいる。 しかしそのワルのはるか上を行く巨悪がいる。 それが国家権力だ。その国家権力に胡坐を書いてこの国を動かす官僚たちで ある。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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