□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年7月22日第522号 ■ ============================================================== 対米従属外交を批判した外務官僚がまた一人あらわれた ============================================================== このメルマガも私にしか書けないものだ。 7月22日の朝日新聞「私の視点」で沖縄の米軍基地問題について、 「政府は米に擦り寄りすぎ」というタイトルの、山田文比古東京外国語 大学教授の寄稿を見つけた。 その趣旨はこうである。 ・・・日本政府は沖縄に対しては「負担軽減」という言葉を繰り返すが、 6月21日に発表された2プラス2の共同声明では、その表現が「影響 軽減」という表現にすり替わっている。 これは米国の要求に迎合した 結果だ。米国は以前から「負担」という言葉を避けたがる。2000年の 沖縄サミットの際に来日したクリントン大統領が沖縄で演説をしたことが あった。事前にその草案を知らされた私(山田)は、基地問題の箇所に ついては「沖縄における米軍のfootprint(足跡)を減らす」という歯切れ の悪い表現だったので、その意味を質したら、「impact」(影響)とほぼ 同じ意味で、その結果として「burden」(負担)を比喩的に表現したもの という返答が返って来た。それなら直裁に「burden」と表現してはどうか と食い下がったが、米側の反応は「演説は米側がつくる」という素っ気ない ものだった。しかし今回の言い換えは「共同発表」という日米両政府当局 者の合意である。米側が求める曖昧な表現に日本側が同意したということ だ。現政権の対米従属姿勢は厳しく問われるべきである・・・ 2プラス2が報道された当時の記事にはほとんど報道されていないこの 卑劣な対米交渉をの内情を見事に我々に教えてくれたこの寄稿は、ウィキ リークスにも劣らない貴重な情報である。 ちなみに私の手元の資料では、6月26日の北海道新聞が、「負担」と 言う言葉が完全に消えて「影響」に置き換えられていたことが24日に わかった、と報じていた。しかし当時の大手新聞でこの事を問題視する ものは見当たらなかった。 実は私がこの寄稿に注目したのにはもう一つの理由がある。 これがこのメルマガの本題である。 この寄稿者である山田文比古教授というのは現役キャリア外交官である。 1980年に京都大学法学部を卒業して外務省に入省したというから 私の10年ほど後輩にあたる。 沖縄サミット推進事務局長をへて2000年に西欧一課長。その後フラ ンス公使などを歴任して2008年から東京外国語大学教授に出向中である という。外務省を辞めたとは聞かないから現役のキャリア外務官僚という ことだ。 その山田文比古氏がここまで新聞紙上で内情を公表し、日本外交を米国に 擦り寄りすぎと厳しく批判している。 また一人対米従属外交を批判した外務官僚が現れたということだ。 しかも彼は現役だ。 山田氏は、現役経済産業省の官僚でありながら政府の公務員改革のまやかし をメディアで公然と糾弾し続けている第二の古賀茂明氏となるのだろうか。 私はこの寄稿文に対する外務省の反応やメディアの反応に注目している。 了

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