□■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン 2010年6月1日発行 第1912 ■ ───────────────────────────── 国民に知らされていない日米同盟の現実 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 大げさに言えば5月28日は日米安保史の中で歴史に残る日になるに違いない。 自民党政権から国民の手で勝ち取ったはずの民主党政権もまた、かくも圧倒的なかたちで 米国の軍事要求に屈服してしまったという意味で。 社民党の連立離脱や鳩山首相の退陣などという政局ばかりが報じられている裏で、後戻りできない ほどに法外な日米同盟強化の実態が国民に知らされないままに固定化しつつあるという意味で。 その事を首相も護憲政治家もましてや一般国民も、何も知らされないまま、日米同盟が日米官僚の 密議で決められてしまったという意味で。 東京新聞「こちら特報部」が5月31日と6月1日にわたり秀逸な特集記事を掲載していた。 5月31日のそれは、普天間基地問題ばかりが騒がれている一方で、同じ米海兵隊の基地移転問題 について、悲願の基地県外移転に喜ぶ厚木基地周辺の住民と、移転を受け入れさせられる岩国基地 周辺住民との間で日本国民が分断されつつある事を我々に知らせてくれていた。 そして6月1日の「こちら特報部」では、5月28日に発表された日米共同声明を読み解く、と題して、 その中に出てくる「環境」、「緑の同盟」という言葉の下に、法外な思いやり予算があっさりと認められて しまっている事を我々に教えてくれていた。 「・・・米軍は二酸化炭素排出量を削減するために投資するカーボンフリー対策として原子力艦を増やし、 軍艦に太陽電池をつけるなど環境対応の計画がある。これまでも在日米軍の近代化で安全や環境を理由に しては日本のお金を充ててきており、同じやり方ではないか・・・」(梅林宏道ピースデポ特別顧問)。 「・・・近年、米国内をはじめ世界各国の米軍基地周辺で、軍用車や軍用機の排ガスや騒音、投下弾による 土壌の化学物質汚染、希少動物の減少などの環境破壊が問題になっている。緑の同盟とは聞こえはいいが、 グアムではこうした環境対策は日本の負担だということでは」(吉田健正元桜美林大教授)。 「・・・軍事的には日本は米国の指揮下の入っており、従属している・・・財政難で国防予算の捻出も 厳しく・・・米国が必要な資金を肩代わりしろと言ってきても、合理的な話だ・・・」(内田樹神戸女学院 大教授)。 鳩山首相や日本の政治家たちは、米国と日本の官僚たちが実務者協議と言う名の密室で合意してきた 日米同盟の実態を何も知らされていないのではないか。 ましてや我々一般国民においては、もう完全にお手上げだ。 東京新聞「こちら特報部」のデスクメモにはこう書かれていた。 「鳩山首相の急転直下の辺野古回帰には言葉を失った。だが、あきれてばかりもいられない。一国の首相が おびえたように顔をこわばらせ、目を泳がせて前言を翻す。それには、それなりの事情があるはずだ。米国の 脅かしか、後ろめたい取引か。それを暴く事こそがメディアの仕事だ」 我々国民もまた報道の裏の真実を知るように努力しなければならない。 _________ 天木直人のメールマガジン 2010年6月1日発行 第192号

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