Foomii(フーミー)

天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

「天木直人メルマガ」10.5.22.発行 第181号 韓国哨戒艦沈没事件にどう対処すればいいのか
無料記事

□■□■  【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■    天木直人のメールマガジン 2010年5月22日発行 第181号 ■          ─────────────────────────────            韓国哨戒艦沈没事件にどう対処すればいいのか      ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  今回の韓国哨戒艦沈没事件に国際政治はどう対処すればいいのか。  対北朝鮮強硬論ばかりが報じられる中で、私はただ一人大声でその誤りを唱えたい。  これは日米韓の結束を声高に叫んだ鳩山外交に対する真正面からの批判である。  こぞって報じられている事は、次の三点である。    1.  合同調査団とやらの報告によって北朝鮮の魚雷攻撃であったことが判明した。    2.  断固たる対北朝鮮制裁措置が取られなければならない。    3.  しかし軍事制裁や報復攻撃が行われる事はない。  この事は何を意味するのか。  韓国のジレンマ、米国の高笑い、普天間問題で懲りた鳩山首相の対米従属への転進、これである。  韓国は初動の時点で大きな間違いをおかした。韓国が北朝鮮の犯行を確信した時点で真っ先の取るべき 行動は、国連安保理会議の召集と、国連による調査である。そして、もし韓国が北朝鮮への軍事的報復を 望むのなら、それを国連の集団安全保障に求め、実現されるよう努力することだった。  ところが韓国は米、英、豪、スウェーデンの協力を得た合同調査に訴えた。その結果としての今回の 北朝鮮犯行の発表だ。  しかしこの報告書がいくら北朝鮮を犯人だといっても正統性はない。  この報告書だけで北朝鮮に報復攻撃をするなら、それは米国のイラク攻撃と同じ論理だ。  戦争になる。その結果甚大な犠牲者が出る。なによりも武力行使では朝鮮情勢に平和は来ない。 対立と混乱だけがもたらされる。  私は北朝鮮を擁護しているのではない。  北朝鮮を軍事制裁するのなら国際政治のルールに従って、国連(国際社会)の一致した合意のもとで 行わなければならないと言っているのだ。  耐えられない犠牲が避けられないのなら、せめてそれは国連の合意の下に行われなければならない、 と言っているのだ。  そして、どのような理由にせよ、国連による合意が得られないならば軍事的制裁はしてはならないのだ。  米国や韓国から事前通報を受けた鳩山首相は、その報告書の結論を鵜呑みにして、北朝鮮への断固たる 措置を取ると公言した。日米韓の結束を最優先すると宣言した。  翻って中国は、関係国に自制を求めた。早急に対北朝鮮への制裁に走るな、といった。  どちらが正しい外交であるかは自明である。  私は中国シンパだからそう言っているのではない。中国はもちろん中国の思惑からそう発言している。  しかし、たとえそうであっても、結果として中国は米国の軍事行動を牽制する役割を果たしている いまや唯一の国である。  イラクやアフガンでは中国は反対しなかった。だから米国の攻撃が起きた。  イランにしても北朝鮮にしても、中国が米国の軍事行動に反対しているから戦争は容易に起こらないのだ。  それにしても、鳩山首相には改めて落胆させられた。  本来ならば平和憲法を持つ日本こそが、関係者に自制を求め、国際連合の集団安全保障による解決を 訴えるべきであるのに、日米同盟重視を認める。日米韓の結束を声高に叫ぶ。  もはや普天間基地問題の行き着く先も明らかになった。  さぞかし米国は笑いがとまらないに違いない。                                    ____                      天木直人のメールマガジン 2010年5月22日発行 第181号

今月発行済みのマガジン

ここ半年のバックナンバー

2026年のバックナンバー

2025年のバックナンバー

2024年のバックナンバー

2023年のバックナンバー

2022年のバックナンバー

2021年のバックナンバー

2020年のバックナンバー

2019年のバックナンバー

2018年のバックナンバー

2017年のバックナンバー

2016年のバックナンバー

2015年のバックナンバー

2014年のバックナンバー

2013年のバックナンバー

2012年のバックナンバー

2011年のバックナンバー

2010年のバックナンバー

2009年のバックナンバー

このマガジンを読んでいる人はこんな本をチェックしています

月途中からのご利用について

月途中からサービス利用を開始された場合も、その月に配信されたウェブマガジンのすべての記事を読むことができます。2026年6月19日に利用を開始した場合、2026年6月1日~19日に配信されたウェブマガジンが届きます。

利用開始月(今月/来月)について

利用開始月を選択することができます。「今月」を選択した場合、月の途中でもすぐに利用を開始することができます。「来月」を選択した場合、2026年7月1日から利用を開始することができます。

お支払方法

クレジットカード、銀行振込、コンビニ決済、d払い、auかんたん決済、ソフトバンクまとめて支払いをご利用いただけます。

クレジットカードでの購読の場合、次のカードブランドが利用できます。

VISA Master JCB AMEX

キャリア決済での購読の場合、次のサービスが利用できます。

docomo au softbank

銀行振込での購読の場合、振込先(弊社口座)は以下の銀行になります。

ゆうちょ銀行 楽天銀行

解約について

クレジットカード決済によるご利用の場合、解約申請をされるまで、継続してサービスをご利用いただくことができます。ご利用は月単位となり、解約申請をした月の末日にて解約となります。解約申請は、マイページからお申し込みください。

銀行振込、コンビニ決済等の前払いによるご利用の場合、お申し込みいただいた利用期間の最終日をもって解約となります。利用期間を延長することにより、継続してサービスを利用することができます。

購読する