□■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン 2010年5月17日発行 第174号 ■ ───────────────────────────── あとは5月末の決着を待つだけだ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 普天間基地移設問題の報道がとまらない。あけてもくれてもこればかりだ。 もはやいかなる意見も無意味であり、5月末の結果を見るしかない。 だから私はできるだけ他のテーマについて書こうとつとめてきたのであるが、最後に普天間基地 移設問題についての今の思いを書き残しておきたい。 そうすることによって、自分の正しさ、あるいは間違いを、振り返って確認したい。 まずどうしてもわからないのは、沖縄や徳之島の住民がこれほど反対しているのに、なぜ鳩山、平野 民主党政権は、沖縄と徳之島の双方に苦しみを押しつけようとするのか、である。 しかも、説得と言う名の買収や、住民を分断するという卑劣な事を、「友愛」を掲げる鳩山首相が ここまで強引に行おうとするのか。 これは最後に、「住民を説得できなかったので国外移転をお願いするしかない」とオバマ大統領に伝える、 という大逆転でもない限り、私には理解できない。 次に不思議なことは、これを機会に日本の安全保障について国民的論議を行うべきだ、という指摘が やたらに見られるようになったのに、一向にその議論が始まりそうもないことだ。抑止力や日米同盟について の議論が行われない、ということだ。 メディアや一般国民がそれらをいくら論じても意味はない。ガス抜きだ。政治の場で政治家が国民の前で それを行わなければならない。そうでなければ普天間基地問題の議論はまったく発展しない。 たとえば基地の全国への分散移転という考え方である。分散移転やむなしという事は日米軍事同盟やむなし、 という事である。日米軍事同盟やむなしである以上、その負担を沖縄だけに押し付けるな、ということである。 だけれども日米軍事同盟やむなしということを日本の政治や国民は合意しているのか。そんな議論は一度も なされていない。 この点について石原慎太郎が珍しくいい事を言っていた。 鳩山首相が全国知事会に分散移転の候補地を依頼した事について、ソ連が仮想敵国のときは北海道とか 三沢の基地が重視されていたが北朝鮮と中国が仮想敵国なら当然沖縄となる、引き受け手があればどこでもいい、 などという事はナンセンス、と批判していた。 実はその通りなのだ。在日米軍基地は戦争のためにある。どこと戦争するかまで特定した議論をしなければ ならないのだ。 もっとも、今の米国の戦力ではどこに基地があっても、どこでも等しく攻撃できる能力がある。日本の安全とは 関係のない「テロとの戦い」を行っている。 そうであれば基地はどこでもいい。基地はどこでもいいいのならそもそも日本に基地を置いて置く軍事的必要性 はない。日本があらゆる負担を引き受けるから居座るのだ。 ここまでの議論をしなければならない。 私が最も矛盾を感じるのは、ここまで鳩山民主党政権の考えが明らかになったというのに、連立政権に とどまる社民党の不透明さである。 なぜ共産党のように、占領下に住民を押しのけて普天間基地を作った、その一点だけでも、とっとと出て行け、 と明確に言えないのだろうか。 連立政権を離脱して、共産党と力を合わせて在日米軍基地の撤退を要求しないのか。この社民党の不透明さこそ 普天間問題がかつての安保闘争のような国民的議論に発展しない阻害要因だと私は思っている。 やがてすべては明らかになる。あと少しの辛抱だ。 その時に、いままでとはまったく違った政治的動きが出てくる事を期待するのみである。 _______ 天木直人のメールマガジン 2010年5月17発行 第174号

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