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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

「天木直人メルマガ」10.5.14.発行 第171号 日米安保の国民的議論を先導するのは護憲政党の責任である
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□■□■  【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■    天木直人のメールマガジン 2010年5月14日発行 第171号 ■          ─────────────────────────────           日米安保の国民的議論を先導するのは護憲政党の責任である      ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  今度の普天間問題の混迷に意義を見つけるとしたら、これを機会に抑止論や日米安保についての 国民的議論の必要性を皆に意識させたことだ。  最近のメディアの論調は声をそろえてそういい始めている。  そのこと自体に、私は異論はない。  しかしその国民的議論を、誰がどういう思惑で先導するかである。  たとえばきょう(5月14日)の東京新聞の「こちら特報部」は「抑止力の陥穽」という特集記事を 掲載しているが、その最後の部分で大田元沖縄県知事の次の言葉が引用されている。  「鳩山さんは、普天間問題を解決する責任を果たすまで辞めるべきではない・・・最近のメディアは 鳩山たたきがひどすぎる。もっと長い目でみて、日本の将来にとって何が一番良いのか、今こそ国民全員 で考える時だ」、と。  これが、鳩山民主党政権擁護の立場から、悪いのは鳩山首相ではない。誰が総理になっても同じ苦悩に 直面する。これからは国民全体で解決する問題だ、という主張であれば、私は賛成しない。  なぜならば、国民には政策決定権はないからだ。政策を決めるのは権力を握っている政治家たちである。 なによりもその権力を手にした政権政党とその政治家に決定権がある。  その政党や政治家が意思統一が出来ず、政治的覚悟もなく、なにもわからないナイーブな国民に日米安保 体制の将来を決めろというのは筋違いである。  おまけにその鳩山首相が、橋本龍太郎自民党政権下で沖縄担当首相補佐官を務めた外務官僚OBの岡本行夫に 吹きこまれ、「学べば学ぶほど抑止力の重要性がわかった」と言っているとしたら、もはや国民は何を論じれば いいというのか。  たとえばきょう(5月14日)の朝日新聞の社説は「仕切り直すしかあるまい」と題して次のように書いている。  ・・・沖縄の人々はこれまで、米軍基地を「県外に移せ」と公然という事はなかった。自らの痛みを他人に 背負わせるのは忍びないという思いからだろう。しかし今回の朝日新聞の世論調査では、県民の53%が県外 移設に賛成と答えた。昨年は38%にとどまっていたから民意は大きく変化した(もはや普天間基地問題は 日本国民全体の問題となった)・・・  日米両国にとって、この地域での脅威は何なのか。それにどう対処すべきか。そのなかで、米海兵隊は どのような機能を果たすのか。そうした日米安保の根本を見据えた議論を・・・日本全体を巻き込んで起こす ことが不可欠ではないか・・・安保とその負担のあり方を大局的な見地から議論し直すべきである・・・」、と。  しかしこの朝日新聞の社説は、あくまでも日米同盟重視を前提とし、それをゆるがせないためにも、そして 沖縄県だけに過重負担を押し付けると今回のように行き詰まるので、国民に負担を分担させろ、そう国民の意識 を啓蒙しろ、と鳩山首相に迫っているのである。  このような歪められた二つの議論のほかに、日米軍事同盟を解消して自主、自立した平和外交を一刻もはや く構築すべきだ、と正面から唱える先導役があらわれなくてはならない。  しかもそれが国民の側からではなく、政治の場から出てこなくてはならない。そうでなければ正しい国民的 議論は起こらない。  ところが連立政権の一角を占める社民党からも、日米同盟反対の唯一の野党である共産党からも、まったく そのような政治的動きが見られない。あるのは自らの政党の生き残りをかけた組織防衛からの発言ばかりだ。  憲法9条が泣いている。  私が「さらば日米同盟」を刊行し、そのなかでいまこそ憲法9条新党をたちあげて国民を正しく先導すべき 時だ、と護憲政治家に呼びかけているのは、まさしくこの危機感からである。                                             _________                         天木直人のメールマガジン 2010年5月14日発行 第171号

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