□■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン 2010年5月13日発行 第169号 ■ ───────────────────────────── 韓国と対米忠誠度を競い合う愚をおかしてはならない ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ これから書くことは韓国政府の対米外交をとやかく言うのではない。それは韓国政府と国民が決める話だ。 あくまでも日本外交の問題だ。そしてそれを煽り立てる日本のメディアの問題だ。その観点から書いている。 日本国民は惑わされる事なく、正しい判断をすべきだと言っているのだ。 米外交関係評議会のシーラ・スミス上級研究員がみずからのブログで書いたといわれる、「鳩山首相は李明博 大統領に、米国の扱い方についてベストの方法を聞くべきだ」という言葉が、日本のメディアでよく引用される。 5月7日の日刊ゲンダイで春名幹男氏はこのシーラ・スミスの発言を引用し、「対米外交では韓国の後塵を 拝する鳩山首相の苦悩」と言う見出しで次のように日本の対米外交の遅れを嘆いている。 1.昨年秋、アフガン問題でオバマ大統領が頭を悩ましている時、李大統領はすかさず地域復興チーム(PRT) の派遣を約束。 2.日本に先駆けて米国との二国間自由貿易協定交渉を推進。 3.その成果として、次回のG20金融サミットや第二回核安全保障サミットの韓国開催招致に成功。 そして春名氏は、「オバマ大統領は東アジアの重心を日本から韓国に移したかに見える。日本は自分 (オバマ大統領)の外交課題を進める上で役に立たない、と判断しているのではないか」、と書いている。 5月12日の産経新聞は、ワシントン発古森義久発として、米国大手研究機関「ヘリテージ財団」の ブルース・クリングナー上級研究員がワシントンで5月10日、日本記者と会見し、次の通り述べたと報じている。 「日本政府内部では普天間飛行場移設問題に関して政策決定プロセスが機能しておらず、アジアでは各国が 最も信頼のできる米国の同盟国となった」、と。 私はこれら米政府関係者の発言を一蹴はしない。 それがどのような配慮から発せられているかを問わない。 米国関係者にこのような発言をさせる鳩山外交を擁護するつもりはない。 さらに言えば春名氏が指摘しているように、「韓国の対米外交が米国に絶賛されたことでソウルが沸いている」 としても、驚きも失望もしない。 重要な事は、今の米国との外交関係で、米国に評価される事がその国の国民生活にとってためになる事か、 と言うことである。 私の答えはもちろん否だ。むしろ評価されないほうがいい。米国が日米同盟は不要だと言い出してくれる のなら歓迎だ。直ちに在日米軍を撤収してもらいたい。 私は、米国が日本より韓国をより重要な同盟国に置いている事について次のように考えている。 シーラ・スミスやブルース・クリングナーなどと言った米関係者はその発言に責任を持てるか。本当に オバマ大政権は韓国を日本より重要な同盟国と見なしているのか。オバマ政権の考えを歪めて発信している としたらその責任を負うことになる。 春名氏や古森氏はシーラ・スミスやブルース・クリングナーの発言が正しいと思っているのか。そうであれば とんでもない日本人ジャーナリストだ。 米国から絶賛されたことでもし本当にソウルが沸いているのなら、祝福とともに伝えたい。それがソウルの ためになるかはやがてすぐわかる事になる、と。 日本国民は決して韓国と対米忠誠度(対米従属度)を競い合う愚をおかしてはならない。 日本の価値は米国にとって失うにはあまりにも大きすぎる。 ラフード米運輸大臣は何のために日本に来たのか知らないが、リニア新幹線に試乗して驚嘆して 帰国したに違いない。日本の技術力の偉大さを。 日本は対米関係でもっと泰然と構えていればいいのだ。日本のよさを失わなければ恐れるものは何もない。 _________ 天木直人のメールマガジン 2010年5月13日発行 第169号

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