□■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン 2010年5月2日発行 第154号 ■ ───────────────────────────── 海兵隊グアム移転協定の見直し議論が出てこない不思議 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 普天間基地移転問題が語られる時、政権が変わったからと言って国際約束を変える事は 出来ない、というのがある。 それが、政権が変わっても外交方針は相手があることだから継続されなければいけない、 という意味であれば、大きな間違いだ。 政権交代が起きて、それまでの外交を否定し、新たな外交方針をスタートする事は世界で 多く見られる。 しかし二国間条約を締結し、その条約を維持しながら、その約束に違反する事は許されない、 と言う意味であれば正しい。 そこで思いつかなければならないのが「海兵隊グアム移転協定」は今どうなっているのか、 と言うことだ。 昨年は衆院選挙の前から政権交代をめぐる攻防で政治が空白常態となり、おまけに8月30日の 総選挙による政権交代の実現で、これまた政治の空白常態が続いた。 その影で忘れ去られている事は多いのであるが、2009年2月17日に署名された海兵隊グアム 移転協定もその一つである。 この協定は2009年にクリントン国務長官が訪日した時、外務官僚の言いなりで動いた中曽根弘文 外務大臣との間で署名された協定だ。 国会でのまともな議論のないままに5月19日に交換公文が交換され、その効力を発生している。 それに基づいて初年度約346億円がグアム移転施設にために支出されている。 グアム移転経費は毎年度にわけて分割計上される事になっており、今年度予算も476億円に増額され それが認められた。 あの事業仕分けでも日米同盟関係の予算は一切手つかずだ。 鳩山民主党政権が自民党時代に決めた普天間基地辺野古建設を見直すというのなら、まずこのグアム 移転協定なる旧政権と米国が合意した協定の見直しを米国側に提示しなくてはならない。 それなくして移転先を変更する事ばかりを論じることは片手落ちである。 米国や自民党から国際公約を無視するとつけ込まれる。 普天間基地移設問題をめぐる混迷の中で予算は現行案でパッケージ合意されたとおりに支出され続けている。 この矛盾を誰も指摘しない。社民党も一言もグアム移転協定について言及しない。メディアは一切書かない。 国民はまったく気づいていない。 _________ 天木直人のメールマガジン 2010年5月2日発行 第154号

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