□■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン 2010年5月1日発行 第153号 ■ ───────────────────────────── 孤軍奮闘する鈴木宗男とその限界 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 情報公開に関して、最も奮闘しているのは鈴木宗男衆院議員だと思う。しかしその鈴木宗男 でさえも明かせない情報はあるのだ。 だからと言って鈴木宗男を非難するつもりはない。 それほど開示することが忍びがたい情報もあるということだ。 それでも情報は開示されなければならないと思う。 個人の名誉と社会的公正さのどちらを重んじるかということだ。 読者の判断はどうだろうか。 4月29日の朝日新聞が小さく報じていた。 谷内前外務次官が核密約文書破棄問題についての参考人質疑出席を拒否した、と。鈴木宗男 衆院外務委員長が28日の理事会で明らかにした、と。 同委員会は、今後外務省の調査の行方などを見守って、再度出席を働きかけるかどうか判断する と言っているらしいが、おそらく見送られるであろう。 もちろん岡田外務省の調査では、決して廃棄した人間は特定されない。 あらゆる状況証拠は文書破棄があった事を教えてくれている。その人物も絞られている。それでも 特定はされないまま終わるだろう。特定して責任を追及する事はあまりにも忍びがたいからだ。 もう一つ、官房機密費問題究明の問題がある。 4月23日の毎日新聞は、平野官房長官が痛烈な皮肉を鈴木宗男議員に放った、と書かれていた。 すなわち、官房機密費の使途について質問主意書などで執拗に開示を求める鈴木宗男議員に対し、 2000年の大阪府知事選挙の時に、当時自民党総務局長だった鈴木宗男氏から、「5000万円 なら出そう」と持ちかけられた事を、平野官房長官が暴露したというのだ。 当時は自民・民主が相乗りで大田房江通産官僚OBを初当選させようとしていた時期だ。平野官房長官 は民主党大阪府連幹事長だった。 「今思えば、そのカネは官房機密費からでているんじゃないかな」と、22日都内で開かれた新党大地の 政治資金パーティでそう挨拶したという。 これには鈴木氏は腰を抜かした事だろう。質問主意書で聞くよりも自分自身に聞け、それを自ら暴露せよ、 そう平野氏は反撃したのだ。間違いなく鈴木宗男氏は官房機密費の使途を知っている。 その鈴木宗男議員でも暴露できなかった官房機密費の使途を、彼の親分格である野中広務氏が暴露した。 5月1日の朝日新聞が報じていた。都内で記者団に官房機密費の使途を明らかにしたという。 毎月5千万円─7千万円使っていた。首相の部屋に月1000万円、野党工作などのために国対委員長に 月500万円、参院幹事長に月500万円渡していたほか、評論家や野党議員にも配っていた、政治家から 評論家になった人が「家を新築したから3000万円くれ」と電話してきたこともあった、北朝鮮に行くから 挨拶に行きたいというものもあった・・・ これらは既にこれまでも断片的に指摘されていたことだ。しかし官房長官経験者の口からこれほど 赤裸々に語られた意味は重い。 今頃こんな事をわざわざ記者会見を開いて暴露する野中氏の魂胆は決して国民目線のものではないと思うが、 しかし、その野中氏でさえも、決して関係者の実名を明かすところまでの覚悟はないだろう。 鈴木宗男議員も国会も、野中氏を証人喚問して官房機密費の徹底解明をする気はないだろう。 大手メディアに至っては、記者会見を開いて話した公開情報にもかかわらず、そしてこれほどの情報である にもかかわらず、ほとんど黙殺状態だ。 世の中には開示できない現実があるということだ。それを公開すれば皆が恥をかく。世の中の仕組みが 変わる。それでは身も蓋もないという事だろう それでも情報公開はされるべきだと思う。社会正義の実現のために。 _________ 天木直人のメールマガジン 2010年5月1日発行 第153号

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