□■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン 2010年4月29日発行 第147号 ■ ───────────────────────────── ゴールドマン・サックス提訴のその後─オバマ大統領の覚悟 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 私は4月18日のメルマガ第128号で、米国証券取引委員会がゴールドマン・サックス社を 金融取引詐欺容疑で提訴した事の衝撃について書いた。 そして、その衝撃もさることながら、ゴールドマン・サックス社が直ちに「戦闘宣言」を発表した 事にもっと衝撃を受けたと書いた。 それから10日ほど立ち、米政府とゴールドマン・サックスとの対立は深まるばかりだ。 その間、私は日本のメディアがこれをどう報じるか注意深く見守ってきた。 しかし私の疑問に正面から答えてくれる記事は一つも見つける事が出来なかった。 その疑問とは何か。 ゴールドマン・サックスの提訴は、行過ぎた金融資本主義を改めようとする動きではないのか。 行過ぎた米国金融資本主義を改めなければ国民のためにならないという事ではないのか。そうであれば、 日本や世界はそれを後押しすべきではないのか、という疑問である。 しかし聞こえる声は金融規制強化が株価を暴落させ、世界経済が再び悪化することへの懸念ばかりである。 サブプライム問題が表面化し、リーマンショックの衝撃で今にも世界経済が崩壊すると騒がれた時、日本の メディアは、IMF世銀体制は終わりだ、あらたな国際金融制度をつくらなければならない、という論調で 埋めつくされていたはずだ。 中には、「すべてはカネ」という風潮から決別し、我々は「足るを知る」生活に本当の豊かさを求める べきだとさえ唱える評論もあった。 それは建前だったのか。 我々は一度経験した金融資本主義の金儲けのうまみを、もはや手放すことはできないのだろうか。 米国では国民が怒り、「反・大銀行」の声が国民の間で強いという(4月26日毎日)。 その声に押されてオバマ大統領も金融改革に本腰を入れつつあるという(4月28日産経)。 ひるがえって日本は金融制度改革に消極的なようだ。菅直人財務相は財務官僚の立場を代弁しているかのごとく オバマ大統領の政策をひとごとのように恐る恐る見ているような気がする。 そんな中で一つだけ注目すべき解説を見つけた。 発売中のアエラ連休特集号で山田厚史編集委員が「時事コラム」でこの問題を取り上げ、その文章の最後の ところで次のように書いていた。 医療制度改革についで金融制度改革に乗り出したことで、オバマ大統領の「暗殺リスク上昇」が噂される ようになった、と。オバマ大統領はそれを覚悟の上だ、と。 やはり、それほどの改革であるということだ。 米国と日本の指導者の覚悟の違いに思いをめぐらせた。 お詫びと訂正 4月18日のメルマガでポールソン・ファンドの事をポールソン前財務長官の名を 冠したファンドと書きましたが、これはファンドマネージャーであるジョン・ポールソンの 立ち上げたファンドでした。 読者からの指摘で学びました。お詫びと訂正をさせていただきます。 _________ 天木直人のメールマガジン 2010年4月29日発行 第147号

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