□■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン 2010年4月28日発行 第144号 ■ ───────────────────────────── 米国との関係を再考し始めた英国 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 普天間基地移設問題がここまで混乱した事に意味があるとすれば、それはこの問題をきっかけに 日米同盟の見直し気運が国民の間で、静かに、しかし確実に、起きはじめたことだろう。 もっとも、その動きが国民の間で今後さらに広がっていくとは限らない。 なにしろ戦後65年もの間、国民は日米同盟重視の政策を当然のように思い込まされてきたからだ。 だから「日米同盟を解消すべきだ」などと言い出せば、すぐに反体制の烙印を押されてしまう。 それを恐れるあまり、会社や組織の中で一生を過ごそうとする善良な一般国民は、世の中の大勢が その方向に向かわない限り、決して日米同盟反対の意見をみずから率先して口にすることはない。 それを私は批判するつもりはない。 しかし、歴史的にも人種的にも米国との関係がもっとも深い英国においてさえ、米国との関係を見直す べきだという声が高まりつつある事を日本国民は知らなければならない。 この動きが、日米同盟を見直すべきだと内心ひそかに思っている日本国民を勇気づける事を期待する。 4月27日の毎日新聞は、「再生をかけて ‘10英総選挙」、という特集記事のなかで、5月の総選挙 を控えて大きな政変が予想されている英国で、チャーチル元首相が1946年の「鉄のカーテン」演説の中 で使った言葉である「英米の特別な関係」が揺らぎ始めている事を書いていた。 特別な関係という幻想がブレア前首相をイラク参戦へ走らせたのだ、英兵179人の犠牲者を出した イラク戦争は何のためだったのか、幻想から覚めて英国は衰退する中級国家になったことに気づいた、 などという認識が政府、議会関係者や国民の間で語られるようになったという。 その毎日新聞の特集記事は次の言葉で締めくくられている。 「・・・どの政党が勝利しても、『米国との距離』の調整と外交戦略の練り直しを迫られる事になる。」 英国でさえこうだ。歴史は停滞することはない。絶えず変化していく。日本において日米同盟関係の見直し 気運がひろがらないはずはない。 問題はそれがいつかと言うことだ。 国際情勢が大きく変化し、もはや米国さえもそれを必要としなくなって、あるいは米中主導のもとで 東アジアにあらたな安保体制が確立した後になって、日本がそれに気づくようでは遅い。あまりにも情けない。 その事を私は6月末に講談社から出版される予定の「さらば日米同盟」で訴えるつもりである。 _________ 天木直人のメールマガジン 2010年4月28日発行 第144号

新しいコメントを追加