□■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン 2010年4月26日発行 第140号 ■ ───────────────────────────── 日米同盟を解消しないで下さいと頼む外務官僚OB ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 日米同盟の将来を考える時、どうしても知っておかなければならない事がいくつかある。 一つは米国にとって在日米軍を失う事は経済的に大きな損失であり、だからこそ、ちょっとや そっとの事では手放さないという事である。 二つ目には、米国が一番恐れ、弱いのは、ヤンキー・ゴー・ホームという国民の反米感情の 高まりである。 三つ目には米国の為政者も国民も、日本の事をほとんど知らないということである。 四つ目には米国政府部内の意見は必ずしも一つではないということである。とくに国務省と 国防総省の意見の対立は間違いなく存在する。 これらの事を考えた時、昨日(4月25日)に行われた沖縄の普天間反対9万人の県民大会と、 それを一斉に大きく伝えた今日(4月26日)の報道は、重要な意味を持つ。 それを生かすも殺すも日本次第なのだ。 鳩山首相は言うに及ばず、もし日本の指導者たちが沖縄県民の声を背にして米国に米軍基地の 県外移設を本気で求めるなら、そしてその事を、米国の国民や米国内の良識ある政治家たちを味方に つけて米国政府や米国議会に働きかける外交を展開するのなら、困難と思える沖縄県外移設であっても 実現できる可能性はある。 そして県外移転は取りも直さず国外移転に発展していく。それは日米同盟の解消につながる。 それにもかかわらずそれが実現しないのは米国の反対があるからではない。日本の指導者たちが それをやろうとしないからだ。 それどころか日米同盟を米国の方から解消すると言い出さないでくれ、と頼み込んできたからだ。 それを見事に証明している記事を4月21日の産経「正論」に見つけた。 岡崎久彦外務省OBは普天間基地移設問題に関しこう書いている。 「・・・最近の米軍普天間飛行場の移設問題をめぐる日米間の摩擦は、どう決着するかは見通しも つかない・・・(だから)私も、最近の論説では、事態の解決策などは提案せず、もっぱらアメリカ側に 対して、日米同盟は、これを損なうにはあまりにも惜しい日米共通の財産であるから、短気を起こさずに 忍耐を持って見守って欲しい、と訴えているだけである・・・」 これ以上の動かぬ証拠はない。 「どうか日米同盟を解消するなどという事だけは言い出さないで下さい」と米国にお願いしているのだ。 日米同盟が無くなれば自分の言論活動の根拠がなくなるからである。 しかし、岡崎氏や、その意見を掲載して国民を惑わそうとしている産経新聞だけが例外ではない。 これほど露骨ではないが、同様の意見を持ち、同様の言動を繰り返す指導者や有識者、メディア関係者は多い。 普天間問題が我々に教えてくれた一つは、対米従属を固定化させようとする者たちがこの国には間違いなく 存在するという、動かしがたい事実なのである。 _________ 天木直人のメールマガジン 2010年4月26日発行 第140号

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