□■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン 2010年4月23日発行 第133号 ■ ───────────────────────────── 天に唾する岡田外相と外務省─沖縄密約公開訴訟の行方 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 4月23日の各紙は、岡田外相が22日、沖縄密約公開訴訟に関する4月9日の東京地裁の判決を 不服として東京高裁に控訴したことを報じている。 これを知って私は驚いた。失望した。そしてその後に、岡田外相と外務省は、もはや救い難いほど 愚かだと同情を覚えた。自分たちが置かれている状況をまったく見失っている。 私は4月10日のメルマガ第109号で次のように書いた。 核密約を曖昧なままに幕引きしようとした外務省を正面から批判し、密約に関する文書の全面開示を 求めた4月9日の東京地裁の判決は画期的なものである、と。 そして、それに不満を示し控訴をほのめかした岡田外相に、「やれるものならやってみろ」と メッセージを送った。 それは出来っこないと思ったからだ。控訴して裁判が長引けば長引くほど外務省は追い込まれる。 そんな事にエネルギーを使うくらいなら、普天間基地問題とか核廃絶問題とか、本来の外交に専念した ほうがよい、外務省の名誉挽回につながる、そう思ったからだ。外務省のためにそう書いたのだ。 ところが、私のメッセージに反発したわけでもあるまいが、判決後わずか10日あまりで外務省は 控訴した。控訴するまでの間、どのような内部での議論があったのだろうか。 馬鹿の考え休みにしかずという言葉がある。その最終判断は大きな誤りだ。天に唾する事になる。 控訴した最大の理由は、時間をかけて充分調査した、あるものはすべて出した、無いものは出しようが 無い、という事らしい。 こんな事を国民が信じるはずはない。ましてや西山太吉氏ほかの原告団が許すはずは無い。 なによりも、国民のために情報公開すると公約した鳩山民主党政権の精神にそむく事になる。 控訴審が始まれば、外務省の密約調査の適否がもう一度最初から検証される事になる。なくなった 文書の証拠隠滅行為の有無と、その責任者の特定が裁判で追及されることになる。 おりしも4月22日の読売新聞は、外務省が機密文書隠滅を指示したと見られている谷内前事務次官 から事情を聞いたところ、谷内氏は文書の廃棄を否定したと答えた、と報じている。 この八百長調査の真偽も含めて、これからの控訴審で真実が明らかにされていく事になる。 外務省はこの訴訟で組織防衛に専念せざるを得なくなる。ただでさえ困難な外交を前にして、 ますます外交に手が回らなくなる。 なぜその事がわからないのか。岡田外相の判断力はどうなってしまったのか。 しかしここでもやはり最大の責任者は鳩山首相である。 なぜ政治的指導力を発揮して、そのような誤った控訴をやめさせようとしなかったのか。 やめさせることができなかったのか。残念でならない。 _________ 天木直人のメールマガジン 2010年4月23日発行 第133号

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