□■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン 2010年4月20日発行 第128号 ■ ───────────────────────────── シオニズムに対するユダヤ教の抵抗 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 今日(4月20日)の新聞記事で一番注目した記事はなんといってもこれだ。 朝日新聞「私の視点」でモントリオール大のヤコブ・ラブキン教授(歴史学)が寄稿していた。 その主張は一言でいえばこうだ。 イスラエルの国家政策を動かす世俗的政治イデオロギーであるシオニズムとユダヤ教は同じではない、 それどころか超正統派ユダヤ教ラビ(宗教指導者)はシオニズムを根源的に拒絶している、と。 この事はパレスチナ問題を考える時に極めて重要である。 彼は言う。 ユダヤ教徒がほかの民族を抑圧することは神から禁じられている。イスラエル建国はパレスチナ人に 対する征服、抑圧によって実現したのだ、と。 彼は言う。 シオニズムは、「世界中のユダヤ人が唯一安全に暮らせるのはイスラエルしかない」と言って ユダヤ人をイスラエルに集めた。イスラエルは建国62年たった今でも(註:4月20日はイスラエル 建国62周年)イスラエルをホロコーストからユダヤ人を守る存在と位置づける。しかし実際は イスラエルはユダヤ人にとって最も危険な場所になっている、と。 彼は言う。 我々が祝うのは、パレスチナ人の人権と国家建設への渇望を拒み続けるイスラエルの建国記念日ではない。 平和な中東においてアラブ、ユダヤ双方の人々が平等に暮らすときだ、と。 まことに正しい指摘である。 問題はこのような意見を持つユダヤ人がイスラエル国内で影響力を持てないことだ。 シオニズムという政治イデオロギーが宗教を歪め、宗教を利用し続けるからだ。 なによりもイスラエルに住むユダヤ人の圧倒的多数が、パレスチナ弾圧を繰り返すシオニスト政府を支持 しているという現実である。 いつの世も、どこの国も、政治のあやまりが世の中を悪くし、国民を蝕んでいく。 ラブキン教授がその寄稿の最後に語る次の言葉が重い響きを持つ。 「ユダヤ人迫害の歴史的重荷を持たない日本は、罪滅ぼし的な西側諸国とは異なる視点でイスラエルを 見ることができるはずだ」 残念ながら日本の政治は対米追従から逃れられない。 その米国政権はシオニズムロビーの影響から逃れられない。 日本は米国から自立しない限り、パレスチナ問題でもまた正しい政策を持てないのである。 _________ 天木直人のメールマガジン 2010年4月20日発行 第128号

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