□■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン 2010年4月19日発行 第125号 ■ ───────────────────────────── 「米国の代理人」を認めた毎日新聞の編集委員 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ まことに興味深い記事を見つけたので紹介しておく。 4月18日の毎日新聞「反射鏡」と言うコラムに、布施広という専門編集委員が、弁解とも 自己正当化とも取れる訳のわからない論説を書いていた。 布施氏は、まず毎日新聞の4月6日付の「地方発」欄で琉球新報の編集局長が次のように書いて いた事に言及する。 すなわち、本来なら日本の政治家は県外移設を求めて沖縄頑張れと声を上げ、報道機関がこれを 支持して県外移設を主張すべきなのに、事態はまるで逆だ、おかしくはないか、と。 そして、布施広編集員は、確かにメディア全体の傾向としてうなずける、とその批判を受け止める。 ところが私が驚いたのはその後に続く次の言葉だ。 「(それでも日本の)政治家と新聞・テレビがこぞって海外移設を主張し、米政府に譲歩を迫る ような事態は考えにくい。元ワシントン特派員として率直な意見を述べれば、時の内閣より日米同盟 (日米関係)の権威を重く見る価値観を持っていると思うからだ・・・これが米国の代理人的な印象を 生むのかもしれないが、一つの内閣の方針を超えた長期的視野から日本の針路を考えること自体は、 むしろメディアの使命といえよう・・・」 あまりにも率直で乱暴な意見だ。 米国の代理人をみずから認めて悪びれない。しかも日米同盟は長期的観点にたてばそれが日本の針路であり、 たかが一つの内閣や首相が政権を取ったからと言って、その「長期的な観点にたった日本の進路」を変える事 はゆるされない。逸脱する内閣であれば批判することこそ国益でありメディアの使命である、と言っている。 産経新聞や読売新聞ならいざ知らず毎日新聞の編集委員でさえそう言っている。しかもそれが日本の メディアの総意であるといっているのだ。 ここまで悪びれずに、国民より対米重視を当然視する意見を述べた記事を私は知らない。 これを読んだメディア関係者は、皆その通りだとうなずいて黙っているのだろうか。それとも「それは お前の勝手な意見だ」と反対論を述べる者が出てくるのだろうか。 しかしこの論説に説得力がまるでない。なぜ日米同盟が長期的観点にたった日本の針路であるかの根拠が 一切示されていない。ただ一言、ワシントンに勤務したジャーナリストだからそう思う、と言っているだけだ。 つまり皆がそう言っているからそうだと言っているのである。 まさしくそれが今日の日本を覆う「空気に従う」ということである。メディアまでそうだとは。 しかし私が奇妙だというのは、そう言ったあとで布施編集委員は、日本は思考停止になっているのでは ないか。米国と争っていけない、米国を困らせてはいけない。そればかりを唱えるのは冷静さを欠いている のではないか、と自己批判をしているのだ。 支離滅裂だ。何を言っているのかさっぱりわからない。 これを要するに日本のメディアはわけのわからないままに対米従属の記事を書き続けているということだ。 日本のメディアの病は深刻だ。 _________ 天木直人のメールマガジン 2010年4月19日発行 第125号

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