□■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン 2010年4月16日発行 第118号 ■ ───────────────────────────── タリバンをテロにしたのはアメリカだ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ バンコクで邦人記者が犠牲になった。連日この報道がなされていたとき、危険を承知で取材 に行くジャーナリストの犠牲をなぜこんなに騒ぐのか、という意見を目にした。 その意見を読んだ時、かつてイラクで犠牲になった日本の戦争ジャーナリストの妻の言葉を 思い出した。 その妻は講演後、聴衆の質問に答えてこう言った。 「私たちは戦争でメシを食ってきた者ですから・・・」 その後に続く言葉は正確には思い出せないが、同情なんかされたくない、してもらわなくてもいい、 と言うものだったような気がする。妙な感動を覚えたものだ。 その言葉を額面どおりに受けるなら戦争ジャーナリストに同情は要らない。 同情は要らないが、私は戦地で取材するジャーナリストには常に感謝と敬意を抱いてその 報じる記事や写真に接している。 われわれ一般市民は、彼らの努力があってこそ真実のほんのかけらを知る。身を安全な所に置いたままで。 4月16日の毎日新聞に栗田慎一記者のアフガンレポートが掲載されていた。「アフガン 遠い安定 上」 がそれだ。 我々にはほとんど知らされていないのだがオバマの米国は「アフガン住民の解放」という名の下に 今年の初めから大規模なテロ掃討作戦を始めている。作戦が行われた地区の悲惨な状況は想像にあまりある。 その地域の住民は何といっているのか。 「米英軍がいる限り、危険が増えていく。地区の外に働きにいけない」(建設労働者) 「カルザイは米国の言いなりで戦争をするから、安全だった生活がむちゃくちゃになった」(その仲間) 「犠牲者の多くが地雷や仕掛け爆弾が原因だった」(農業従事者) 「米国は自由を掲げながら、アフガン人の生活を破壊する。タリバン支配は窮屈だが、治安と秩序は 守られた」(地元記者)。 きわめつけはその中の一人が栗田記者に放った次の言葉だ。 「タリバンをテロリストにしたのはアメリカだ」 この言葉こそ米兵の赴くところの住民が声を揃えて口にする言葉である。 この言葉こそ、アメリカの為政者たちが一番聞きたくない言葉だ。 そしてこの言葉こそ、日本政府、官僚、メディアたちが、心を偽って、決して口に出さない真実である。 _________ 天木直人のメールマガジン 2010年4月16日発行 第118号

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