□■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン 2010年4月12日発行 第111号 ■ ───────────────────────────── 核サミットでも苦しい日本 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 4月12、13日にワシントンで核サミットが開かれる。 これは鳩山首相にとって乗り気のしないサミットになるに違いない。 それは普天間基地解決のメドが立たないからではない。 確かに日本のメディアはオバマ・鳩山会談ばかりを報じるだろう。会談が出来なければたたく。 たとえ会談ができても普天間基地問題でオバマ大統領に相手にされなかったと言ってたたく。 しかし、今度の核サミットは、そんな事よりも、鳩山首相にとってはるかにつらいサミットに なるだろう。 それは鳩山首相にとってはまったく出番のない核サミットになるからだ。 その理由は今度の核サミットの議題がテロ封じ込めのための核管理強化に集中するからだ。 ようやくその事を日本の新聞も書くようになった。 4月11日の東京新聞は「核テロ防止へ協議 あすからサミット」という見出しでこの会議を 報じていた。 また「ニュースがわかる」の中で、今度の核サミットをはっきりとこう書いている。 問 「核安全保障サミット」って、何を話し合う会議なの? 答 国際テロ組織アルカイダなどテロリストが、核兵器を絶対に入手できないようにするための 会議です。原子力関連施設を狙う「核テロ」をどう防ぐか、各国首脳らが話し合います。 4月11日の毎日新聞も「なるほドリ」の中でまったく同じ質問を取り上げてこう答えていた。 「核テロと核拡散を防ぐため、核兵器を持つ先進国、原子力発電所を持つ国、原子力発電の導入を 進める途上国など日本を含め47カ国の首脳と国際機関が話し合います」 このような報道から明らかなように日本がこの核サミットで核廃絶を訴えても場違いになる。 それどころか日本は、テロ対策のための闇市場の解体、核関連物資の輸送阻止、金融規制による 取引停止、などの米国提案の合意作りに協力を迫られる。 そしてこの種の会議の常として資金協力を求められる。多額の資金を出すのはいつも日本だ。 この会議が成功する鍵は中国がいかに米国に協力するかにかかっている。 だからオバマ大統領は他の事を棚上げにしてまで胡錦涛国家主席の参加を懇請した。 その胡錦涛主席は、オバマの核サミットの直後に開かれるイラン主催のもうひとつの核サミット にも参加する。 中国は、米国が躍起になっているイランに対する制裁強化への協力について態度を保留のままだ。 イラン制裁への協力は人民元切り上げや米国債購入と並んでいまや中国の対米外交の最強のカードである。 その一方で我が国の高須国連大使は、持ち回りでつとめる国連安保理の議長職が日本にとどまる4月末 までに、イランへの新制裁作りをまとめる事に躍起になっている(4月11日朝日)。 5月からはイラン制裁に消極的なレバノンが議長国になるから、その前にまとめたいとする米国の意向 を満たすためだ。 対米追従外交が日本を苦しめるのは何も普天間基地問題だけではない。 日本が世界に指導力を発揮できるはずの核廃絶問題でさえも、日本外交の姿は見えない。 _________ 天木直人のメールマガジン 2010年4月12日発行 第111号

新しいコメントを追加