□■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン 2010年4月11日発行 第110号 ■ ───────────────────────────── 杉原裁判長が裁いたのは北岡伸一座長の密約報告書の嘘でもある ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 4月9日東京地裁判決は私にとってはあまりにも衝撃的であったのでもう一度だけ 書かせてもらう。 報道によれば今回の判決は杉原則彦裁判長(53)の強い関与と陣頭指揮のなせる業で あると書かれていた。 これからが出世の正念場という働き盛りの裁判官がこれほどの判決を書いたというところに、 私は時代の変化を感じる。 それは政権交代を果たした鳩山民主党政権の手柄ではない。 政権が起きた事と、その後に起きた政治の混乱により、国民が気づいたのだ。国家権力は 絶対的でない、権力を握る者たちが思いのほか脆く、レベルが低い、ということを。 そのような権力者にただひたすらに従順であるばかりが能ではないと その国民の声に背を押され、権力の報復を恐れるよりも「法の支配」、「正義の実現」を優先 しようとする裁判官が現れたということだ。 この動きが、静かに、しかし着実に国民の意識の中に広がり、定着していく事を期待する。 主役なき市民革命である。 脱線してしまったが、私が今日(4月11日)のメルマガで書きたいことは二つの新聞記事から 考えた事である。 一つは東京新聞に掲載されていた春名幹男元核密約検証有識者委員会メンバーの記事である。 その記事の中で彼は今まで決してメディアに報道されなかった次のような事実を明らかにしている。 すなわち89年に作成された栗山尚一事務次官のメモというものがあって、そこには「(日米) 双方の立場につき、(その相違を認識していながら)互いにそれ以上突き詰めないとの立場を理解、 ただし密約はなし」とかかれていたという。 そしてこの線から外れる文書はほとんど残っていない。正直言って不自然だと思ったと。つじつま 合わせのために文書を破棄したとしたら浅はかだ、と。 もう一つの記事は毎日新聞に掲載されていた西山太吉氏の次の言葉だ。彼は10日に行なった講演の なかで、「歴史に残る判決だ」と改めて評価した上で次のように語ったという。 「我々が今回の判決を導き出していなければ、外務省の外部有識者委員会による報告書が密約問題に 関する唯一の解明文書となり、国民の知る権利は封殺されていただろう」 この二つの新聞記事が意味するところはなにか。 それは杉原判決が本当に裁きたかったのは北岡伸一座長の有識者委員会報告書の嘘だ。 それを見逃さなかった杉原判決の凄さをあらためて教えてくた記事であった。 _________ 天木直人のメールマガジン 2010年4月11日発行 第110号

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