□■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン 2010年4月10日発行 第109号 ■ ───────────────────────────── 岡田外相は控訴できるものならやってみろ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 4月9日東京地裁は沖縄返還時の密約文書を全面開示するよう外務省に命じる判決を下した。 この判決にはさすがに私も驚いた。2008年4月の名古屋高裁における自衛隊イラク派兵 違憲判決に並ぶ歴史的判決と言える。 その衝撃度は、原告の西山太吉氏の、「夢見ているのか」(4月10日日経)、「情報革命が 起こった」(朝日、毎日)、「150%の判決」、などの言葉に見事に言い表されている。 4月10日の朝刊各紙がこの判決の記事で紙面を埋め尽くしている事からもわかる。 新党結成の動きも、事業仕分け第二弾も、高速道路料金発表も、すべてをかき消すほどのニュースだ。 しかし一番衝撃を受けたのは外務省に違いない。 いみじくも日経新聞が指摘しているようにいい加減な有識者検討委員会の報告書で核密約問題に 幕引きしようとした矢先に冷水を浴びせかけられたからだ。 外務省は、2001年はじめの読売新聞のスクープから発覚した松尾事件(機密費横領事件)で、壊滅的な 打撃を受けた。 その醜聞を自己反省することなく蓋をしたまま、こんどは外交機密文書の隠滅という歴史を冒涜する 問題に直面させられた外務省。 いずれも外務省中枢幹部の関与した問題であるだけに外務省組織の危機なのである。 しかし司法がここまで判決を下した以上もはや証拠隠滅を命じた責任者の解明なしではこの問題は 終わらないだろう。 それは外務省組織にとっては耐えられない苦痛をともなうことに違いない。 しかし長い目で見ればそれが外務省のためなのだ。 もちろん国民のためでもある。 私が驚いたのは岡田外相が判決に不快感を示し控訴をほのめかした事だ。 出来るものならやったらいい。 東京高裁に控訴され、そこで地裁の一審判決が覆され原告は最高裁に上告することになる。 長い訴訟の間に、どんどんと外務省の隠し事が明らかにされる事になる。 外交問題が山積している今の岡田外務相にそのような訴訟にエネルギーを浪費する余裕はない はずだ。 ただでさえ政権交代の失望感が国民の間にひろがっているときに、岡田民主党が官僚組織のために 嘘をついたり、国民に情報開示をしないことなどありえない。 岡田外相は、控訴できるものならやったらいい。 その時こそ、民主党政権が外務官僚とともに自滅する。 _________ 天木直人のメールマガジン 2010年4月10日発行 第109号

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