□■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン 2010年4月7日発行 第106号 ■ ───────────────────────────── 米国の単独出撃を止められない日本 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ どうしても私の関心は外交へ向かう。それも日米同盟の欺瞞を明かす方向へ。 4月6日の東京新聞に衝撃的な記事を見つけた。 核密約検証有識者委員会のメンバーであった春名幹男氏が、またもやその内幕に ついてのあらたな暴露証言を書いていた。 日米密約については米国の核持ち込みばかりが騒がれているが、日本にとってはるかに 深刻な密約は、「米国が朝鮮有事の際に日本との事前協議なしに出撃できる」とした、密約だ という。 すなわち表向き日米両国は1960年の安保改定時に、「岸・ハーター交換公文」で米軍が 他国攻撃の際に在日米軍基地を使用する場合は事前協議を行うと合意した。 安保改定時に「米国の戦争に巻き込まれる」という強い反対があったため、それを抑えるため に交わした取り決めだ。 しかしその裏で朝鮮有事には米が勝手に出撃できることを密約していた。 その密約は今度の調査委員会でも朝鮮議事録の中で確認され、「狭義の密約」つまり明確な密約である とさえ認めている。 それにもかかわらず、この密約が今も放置され、その深刻性を有識者もメディアも誰も指摘しない。 春名氏は言う。ゲーツ国防長官は昨年10月来日の際、「日米同盟関係に悪影響を与えないように」 と日本政府に釘を刺したが、それは皆が思い込んでいるような核持込みへの悪影響ではなく、 朝鮮有事の単独出撃に悪影響を及ぼさないように、という意味だった、と。 その事を春名氏は最近米政府筋から聞かされたという。 鳩山・岡田民主党外交の裏切りは、日米核密約公開の直前まで行われていた日米安保当局者間の話し合いで 米国からこの問題を提起され、しかもこの事前協議にについて今日まで日米間で話し合いがまとまらず平行線 を辿っているにも関わらず、それをひた隠ししているということだ。 この問題は深刻である。なぜなら米国は決して譲歩しないからだ。米国の軍事行動は日本に相談なく行われる からだ。 日米同盟とは、少なくとも米国にとっては日本を守るためのものではない。米国の戦争のためだ。 しかも「テロとの戦い」のためだけではない。 日本の安全保障にもっとも深刻な影響を尾与える朝鮮有事に際しても、米国は日本に相談することなく 出撃するフリーハンドを要求しているのだ。 これには驚かざるを得ない。なぜならば「テロとの戦い」と違って朝鮮有事で真っ先に被害を受けるのは 日本だからだ。 それでも日本は知らされないのだ。 この米国の不当な要求に鳩山・岡田民主党政権さえも明確にノーと言えない。 そして鳩山・岡田民主党政権さえも国民にそれを隠し、さらなる密約を繰り返そうとしている。 日米同盟そのものが巨大な密約であるということだ。 _________ 天木直人のメールマガジン 2010年4月7日発行 第106号

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