□■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン 2010年4月5日発行 第102号 ■ ───────────────────────────── トゥイッター風に書いてみる ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ トゥイッターを使ったらどうかという助言を様々な読者からいただく。しかし その気になれない。 その理由はいくつかある。 使い方を学ぶのが面倒だ。 政治家がやたらに使うことから明らかなように、自分の売り込みくさい。自分の ブログのクリックが増えて喜んでいる類だ。 自分の書いたものに読者が勝手に書き込むのは構わないが、それに付き合う余裕はない。 大半の沈黙の読者を大切にしたい。 なによりも百数十字の短い文章では自分の思いを正しく伝えられない。私の書くものは つぶやきではない。主張であり、解説だ。 しかし、この最後の、短い文章で、どこまで思いを尽くせるかという事はトライしてみる 価値があると思う。 それができれば一度にたくさんのテーマについて書く事ができる。 そこで今日のメルマガは、これ以上短く出来ない文章でいくつかのテーマを取り上げてみる。 それが奏功しているかどうかは読者の判断だ。 1.政界再編と政局流動化 どのような新党が乱立し、参院選がどのような結果に終わろうとも、もはや参院選後の 政界再編は不可避となってきた。私がそう確信する理由はこうだ。 参院選で民主党の過半数割れは確実になってきた。そうなれば参院後の政局は反民主、反小沢 がもっと激しく民主党政治に立ちふさがる。ねじれ国会が政治を麻痺させる。 もし参院選でめでたく民主党が過半数をとればどうか。大方の期待に反し、その時は小沢政治 の純化路線が強まり民主党は必ず分裂する。 いまや支持率で三番目になった「みんなの党」は政界再編の触媒を狙った過渡的な政党だ。 渡辺喜美も江田憲司も、「政界再編が実現してわが党が消える事を目指す」、と繰り返して 公言している。 これから続々現れる保守新党は、顔ぶれが古いとか、政策が不一致とか、問題は山積だが それは関係ない。なぜならばこれらはあくまでも小沢民主党に過半数を取らせないための新党だ からだ。政策不一致といえば今の連立政権こそ不一致の極みである。 保守新党ばかり登場し、その結果としての保守連立政権が不可避の状況の中で、護憲政党の居場所 はなくなる。共産党が孤立し、社民党は民主党に吸収される。 そのような中で、平和を願い、憲法9条を守ろうとする本物の平和新党、憲法9条新党結成の動きが 護憲政治家の中から出てこなければ今の護憲政治家など無意味だ。すべていかさまだ。 平和新党の動きが出てこなければ嘘だ。そんな新党が出て時はじめて私は支持政党を持つことになる。 2 英前駐日大使の日米同盟重要論を批判する 4月5日の読売新聞「地球を読む」でグレアム・フライ前駐日英国大使がこう言っていた。 「・・・(英米)関係を『平等』と見なす者は英国内には一人もいない・・・軍事も経済も外交も、 明らかに日英両国よりも強力な米国に対して、どれほどの影響を与えることが期待できるのか・・・」 これは、私の言う「軍事協力を続ける限り対米従属関係から逃れられなし」という論と同じだ。 わが意を得たり、と思って読み進めていくうちにその結論が大きく異なる事に気づいた。 彼は言う。 「・・・(英国は)もはや冷戦時のような脅威に直面してはいない。米国との同盟は、将来の新たな 直接的脅威の出現に対する保険の一つである・・・」 こう言って、フライ大使は英国の安全保障が直面しているのはテロや大量破壊兵器の拡散であり、その ための米国との同盟関係維持だという。 もはや冷戦時のような脅威はない、その為の米英同盟ではない、と言っているところは重要だ。 米国との同盟関係の内容が大きく変わった事を認めている。 しかし、その後の結論が間違っている。 フライ大使は言う。日本は北朝鮮と中国の脅威に備えなければいけない、その脅威のために日本は 英国以上に対米同盟関係を必要としている、と締めくくっている。 とんでもない意見である。 しかしこの意見は図らずも日本のこれからの安全保障政策の核心をついている。 グレイ大使の言葉を借りれば、「これからの日本もまた、冷戦時のような米国の軍事力を必要とする 脅威には直面していない」 しかし、グレイ大使の心優しい助言とは正反対に、日本に対する「脅威」が北朝鮮と中国であるとしても、 その「脅威」は軍事的ではなく政治的・外交的に解決されるべき「脅威」である。 英国がテロの直接的脅威の保険として米国との同盟が必要であるのと正反対に、日本にとって米国との 同盟はこれら「脅威」に有害、無益である。 日本が北朝鮮、中国との「脅威」に対処する必要があるとすれば、それはあくまでも二国間の話し合いで 除去さるべき問題なのである。 3.鳩山政権は北朝鮮政策でも大きな誤りを冒している 一体鳩山政権の外交政策は誰が責任を持って執り行っているのだろうかと思う。 鳩山外交の迷走は普天間基地問題に限らない。 小泉電撃訪朝から今日までもっとも大きな外交課題の一つが拉致問題であった。 その拉致問題でも鳩山政権は大きな誤りをしている。 言うまでもなくファン・ジャン・ヨプ元労働党書記の招待である。 おまけに金賢姫元死刑囚の来日まで計画しているという。 何の目的の招待なのか。 情報収集なら極秘で行えばいい。しかし彼らはもはや過去の人物だ。なんら目新しい情報を 持ち合わせていない。 岡田外相は「私は会う予定はない」と言う。 訪日の目的は拉致被害者家族との会談や講演会なのだ。 こんな訪日にどういう意味があるというのか。いたずらに北朝鮮を硬化させるだけだ。 拉致問題の解決は日本の過去の清算、国家正常化と同時解決する鳩山首相の政治的決断と首脳交渉 があって始めて動き出す。 しかし鳩山首相の姿はここでもまったく見られない。 そう思っていたら今度の招待はスキャンダル政治家中井国家公安委員長のイニシアティブだという。 成功するはずはない。 4. 日本の指導力が発揮されない核保安サミット 4月12日、13日というからもうすぐだ。ワシントンで開かれるオバマ大統領が主唱する 核保安サミットの事である。 またもや鳩山首相が外遊する。しかし鳩山首相はここでもまた指導力を発揮できずに 終わるだろう。 メディアは普天間基地問題に関するオバマ大統領との会談ばかりを取り上げるに違いない。 しかし、もっと深刻な問題は、核廃絶について鳩山民主党政権が存在感を示せそうもないことだ。 この会議の目的はテロに核兵器を渡さない事を主眼にする会議である。 そんな会議にいくら日本が協力しても世界からは評価されない。 唯一の核被爆国日本の出番は世界からの核廃絶だ。 しかしそその日本は鳩山政権になっても米国の核抑止力を最重要視する。 そんな国がどうして米国も含む核大国に核廃絶を訴えられるのか。訴えたとして説得力があるのか。 4月3日の朝日新聞に象徴的な記事があった。 3月末にカナダで開かれたG-8外相会談で、岡田外相とクシュネル仏外相の間で、核の役割低減に ついて大激論があったという。 すなわち「核なき世界を目指す」という文言を共同声明に入れるかどうかで、クシュネル外相は、 核の役割低減と核廃絶は違う、核廃絶は国の大きな政策に反する、と主張して最後まで譲らなかった という。 「これ以上やると日本の外相は変人じゃないかと思われてもいけない」と考えて岡田外相は引き下がった という。 なぜクシュネル外相は譲らなかったのか。それは米国の核抑止力を求めておきながら、その一方で 核廃絶を叫ぶ日本の欺瞞に、皆が気づいているからだ。 鳩山首相はワシントンの核保安サミットでも指導力を発揮できない。 _________ 天木直人のメールマガジン 2010年4月5日発行 第102号 お知らせ 3月5日に収録された植草一秀さんとの対談が福岡のスタイルFMで放映されています。 鳩山政権の評価が微妙に食い違っているところが注目点です。本当はもっと違うのですが そこは私らしくなくオブラートに包みました。 興味ある方は以下のサイトを参照してください。 http://www.768.jp/ondemand/list/vod.php?vod_id=163

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