□■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン 2010年3月30日発行 第94号 ■ ───────────────────────────── モスクワ地下鉄駅自爆テロの衝撃度 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 29日にモスクワの地下鉄駅で起きた自爆テロを私は深刻に受け止めている。 もちろん一番深刻に受け止めているのはプーチン・メドベージェフ体制である。 この自爆テロの背景にはチェチェン分離抵抗などが指摘されている。それが「事実だと したらパレスチナ問題とは直接の関係はない。 しかしイスラム武装勢力による犯行であるとの見方が強く、自爆者が女性であると 報じられていることから、その根底にはパレスチナ解放抵抗との共通性、親和性がある。 その共通性、親和性とはなにか。圧倒的な暴力による少数者の弾圧であり、それに 抵抗するには自爆テロしかない、という激しい怨嗟からくる無差別攻撃であるということだ。 テロの原因の一つが貧困であり、その貧困を無くす事がテロ対策だという事がよく言われる。 日本政府などはそれを受け売りし、紛争地に金をばら撒くというやっつけ仕事に奔走している。 確かに貧困はテロの一つの要因に違いない。 しかし貧困だけでは自爆テロは起こらない。自爆テロの根底にあるのは不正義に対する怨嗟 である。圧倒的な虐待に対する最後の抵抗である。 私がこの事件を深刻に受け止める最大の理由は、二大暴力国家の米国とロシアが、自爆テロ 退治という一点で手を結び、「テロとの戦い」に勝つためにはあらゆることが許されると世界に 喧伝する事を危惧するからである。 これに中国が加わって「テロとの戦い」が覇権国のそれぞれの悪事の隠蔽に利用されたら、 弾圧される側はたまったものではない。 それでテロがなくなるのならいいじゃないか、と言える者は恵まれた者である。 しかし、弾圧でテロを無くす事はできない。不正義が放置され続ける限り恨みは増幅する。 日本は決して彼らの「テロとの戦い」に賛同してはいけない。ましてや加担する事など 愚の骨頂である。 今度のモスクワで起きた地下鉄駅自爆テロの持つ意味合いは深刻である。 _________ 天木直人のメールマガジン 2010年3月30日発行 第94号

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