□■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン 2010年3月21日発行 第82号 ■ ───────────────────────────── 鳩山首相への決別宣言 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 一度は国民の手で政権交代を実現する。その思いで私は民主党を支持してきた。 昨年8月30日の総選挙でそれが実現し、それを歓迎し民主党政権に多いに期待した。 その期待は時間がたつにつれ裏切られていった。 その理由は、私にとっては「政治とカネ」の問題では決してない。あくまでも政策だ。 選挙前に国民に提示していた政策がことごとく腰砕けになりつつある。 それは鳩山首相に信念をもって断行したいという自らの政策が何一つないからだ。 あったとしてもそれを実行する指導力がないからだ。 あらゆる政策の中で、私が自信をもって評論できるのは対米外交と脱官僚支配である。 鳩山政権の天下り根絶や公務員改革法案の腰砕け振りは目に余る。 繰り返して言うように、事務次官ポストを廃止する、その一つだけでも実現すれば革命的 なのに、官僚の反対にあってそれが出来ない。 しかし、何といっても私が鳩山政権に失望したのは対米外交である。 3月18日の読売新聞のスクープを読んで、それが事実なら、もはや鳩山首相と決別せざるを 得ないと思った。 読売新聞のスクープは、沖縄県民や国民に知らせる前に、沖縄県内移転の複数案(キャンプ シュワブ陸上部か、ホワイトビーチ沖のいずれかに新たな滑走路などを建設する案)で米側と 交渉する事を決めた、というものだ。 事前に沖縄県民や国民に知らせると反発を招くから、まず米側と交渉を始めるという。 このスクープは、その後他の新聞も後追い記事を書いたから、おそらく政府筋からの確かな 情報に基づくものに違いない。 とんでもない話だ。 これでは自民党政権下のやり方となんら変わりはない。いや、沖縄県民にはかない期待を抱かせた だけたちが悪い。 しかも、米国の合意を得られるように海兵隊機能の一部を県外に分散するという。 自民党政権下の政策より国民の負担は増える事になる。 そう思っていたら、鳩山首相が3月19日夕に記者たちを前にして、ついに「県外移設は困難だ」 との認識を示したという。 そう言ったその後で、「県外が望ましいという沖縄県民の気持ちは大事に したい」、などと、わけのわからない事を語ったという。 これほど沖縄県民を馬鹿にした話はない。 沖縄県民は、県外が望ましいなどとは一言も言っていない。何があっても今度こそは県外移転を実現して くれと叫んでいるのだ。 問題は普天間基地移設問題だけではない。鳩山政権の対米外交は、ここにきて急激に対米迎合政策に 傾斜しつつある。 鳩山内閣は19日の閣議で、「イラク復興支援特措法は違憲であったとは考えていない」という 政府答弁書を決定したという(3月20日朝日)。 鳩山首相は17日の国際問題研究所主催のシンポジウムで次のように挨拶したという(3月18日朝日) 「(東アジア共同体構想について)日米同盟が軸になる。日米安保があるからアジアの国々も安心して 経済的発展を遂げることができた。日米同盟をこれからも大切にしていく・・・」 なんという豹変であろうか。なんという対米迎合ぶりであろうか。 鳩山首相の限界は、鳩山首相が今更どのように米国に迎合し、譲歩しようとも、米国は鳩山首相を 決して評価、信用することはないということだ。 最悪だ。日本にとって不幸なことだ。対米従属に徹した小泉外交のほうがまだわかりやすい。 少なくとも対米外交に関しては、私は鳩山政権を正面から批判していく。 おそらくその他の政策においても、鳩山首相はこの国を不幸にしつつあるに違いない。 そんな事を言ってもそれにかわる政治家、政党がいないではないか、ここで民主党を見限ると 日本の政治に絶望するしかない、という声が聞こえてきそうだ。 そんなことはない。正しい政策を実現できる政治家、政党が現れるまで政治を監視していけばいい のだ。 それは決して絶望的なことではない。 政治家になれず、権力を行使できない一般国民がでも、「税金を使っているのだから少しは まじめに仕事をしたらどうか」と政治家たちを叱る、これはやりがいのある立派な政治参加 なのである。 _________ 天木直人のメールマガジン 2010年3月21日発行 第82号

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