□■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン 2010年3月19日発行 第80号 ■ ───────────────────────────── 公職選挙法違反を堂々と新聞紙上でしゃべった元自治労委員長 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 驚いた。これは公職選挙法違反を公然と認めたということではないのか。 3月17日の朝日新聞は、ほぼ一ページ全面を使って「民主党と労働組合」と 題する特集記事を掲載していた。 その中に後藤森重元自治労委員長のインタビュー記事があった。 それは一読すれば北海道教職員組合事件についての反省の弁のように見える。 しかしよく読んでみると、それは、自分たちが組合活動をやっていた時はもっと 上手くやった、とくに官公労は民間労組の組合員と違って失職の危険性がないぶん、 思い切った活動ができる強みがあった、などという自慢話なのだ。 北教組はそんな基礎知識を引き継いでいなかったのか、とまで言っている。 そのおごりはたとえば次のような表現からうかがえる。 「・・・自治労は連合傘下で最大の労組として政界再編にもかかわった・・・ 時の村山富一首相が自治労の組織内議員とあって閣僚人事にも口を出した・・・ それを支える潤沢な資金力もあった。当時の自治労は組合員が100万人を超えていた。 たとえば、その8割が月500円の組合費を納めれば、毎月4億円で年に約50億円だ・・・」 「・・・83年自治労北海道本部の書記長になったころ、社会党道本部の選挙対策委員長 になった。知事選を仕切り、議員選挙ではそれぞれに責任を持つ労組を決めた。われわれが 社会党員を増やし、議員をつくった・・・」 「だいたい、いまの民主党は労組が心中すべき相手ではない。鳩山由紀夫首相、小沢一郎 幹事長にからんで化け物みたいな高額な金が横行し、それが普通のことのようになっている なんて恐ろしい・・・」 問題発言が後藤氏の口から突いて出たのは、そのような得意絶頂の話しぶりの中であった。 「・・・選挙は徹底的にやった。ビラまき、ポスター張り、電話かけ。実戦で選挙違反の 境界線も学んだ。 個別訪問は選挙違反だが、1970年代には『1日に10軒回れば捕まるが、2,3軒なら 大丈夫』といった感じだった。 組合員は出勤途中に2軒、帰りにも2軒寄って支持を広げた。間違えて警察官の自宅を訪れ、 泥だらけで逃げ帰った者もいた・・・」 驚くべき大胆な発言だ。 これは選挙違反を行っていた事を認めたも同然ではないのか。 いくら昔の事とはいえ、この発言は重大な失言ではないのか。 それとも、もう時効だから白状しても笑って済ませるということなのか。 警察はこの発言を見逃すのだろうか。 私は05年の衆院選挙で神奈川11区から一人立候補して小泉純一郎首相に挑んだ。 その時、公職選挙法を厳守しないと捕まると脅かされて杓子定規にそれを守った。 そのために多くの支援者の厚意を断り、支援者から恨まれたりもした。 それでも私は自分が正しかったと思っている。 支援者が私が演説をしている場所を離れてビラ配りをしたりすれば、それは選挙法違反になる。 ましてや私が一人でも個別訪問などしたものなら捕まっても文句を言えなかったに違いない。 かりそめにも公職選挙法の適用が不公平であってはならない。 しかし現実は違う。 政治の世界は、仲間同士の裁量と、馴れ合いと、庇い合いと、取引で出来ている。 何も知らない素人が入り込めないようになっているのだ。 いまとなっては遠い昔の事だ。 自らのおろかさを笑って済ませる年月がたった。 しかし後藤氏のインタビュー記事は当時の事を思い出させてくれた。 この記事を読んで、久しぶりに私は本気で怒りを覚えた。 _________ 天木直人のメールマガジン 2010年3月19日発行 第80号 おしらせ 3月15日から高知新聞に6日間にわたって私の寄稿が連載されています。 日本のパレスチナ政策に対する渾身の批判です。それはまた日本の対米従属外交批判でも あります。 詳しくは高知新聞(088-822-2111) 天野弘幹記者に連絡下さい。

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