□■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン 2010年3月18日発行 第79号 ■ ───────────────────────────── 核密約報告書が無視した核兵器の本州持込疑惑 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 護憲政党が健在ならば国会で真っ先に追及したことだろう。 核密約報告書は茶番だ、 米国の核兵器は本州に常時持ち込まれていたではないか、と。 3月17日の日刊ゲンダイと東京新聞が、3月15日にワシントンで行われたライシャワー 元駐日大使の特別補佐官ジョージ・パッカード氏の講演を報じていた。 パッカード氏は講演の中で、1966年に岩国米軍基地に核兵器が持ち込まれていた事を 告白したというのだ。 信じられないことだが、これほど重要な告白を、大手新聞はまったく報じない。そこに この告白の深刻性がある。 実は、パッカード氏が核兵器の本州持込を語ったのはこれが最初ではない。 米外交専門誌「フォーリン・アフェアーズ」最新号で沖縄返還時に米軍が沖縄から本州へ 核兵器を秘密裏に持ち込んでいたことを明らかにしている。 更にまた、3月7日の毎日新聞は、パッカード氏に直接取材して次のようなパッカード氏の 発言を記事にしている。 すなわち、米軍は核兵器を搭載した艦船を「ほぼ恒常的な形で」配備し、核攻撃に備え、 「(一時的な)通過とは言えなかった」と。 これらの発言はいずれも有識者委員会が核密約報告書を公表する前だ。有識者委員会の メンバーがこの告白を知らないはずはない。見事に無視したのだ。 しかも核密約報告書が発表された直後に、鳩山首相も岡田外相も、驚くべき矛盾した 発言を平気で繰り返している。 すなわち、冷戦後米国は政策を変更した。「戦術核が(艦船に)搭載される事はない」ので 「(1991年以降は)核が持ち込まれとの事態は想定し得ない、と。 その一方で、鳩山首相も岡田外相も、米国は核兵器の存在については、否定も肯定もしない (NEITHER CONFIRM NOR DENY)という方針を堅持している事を あっさり認めている。 米国に確かめる事が出来ないのに、そして確かめても米国は答えないのに、どうして1991年 以降は核兵器は持ち込まれていない、などと断言できるのか。 これでは米国のいう事をなんの疑いもなく丸呑みするということではないのか。 最近私のところに、明らかに米軍基地で働いていると思われる者から情報提供があった。 米軍基地の立ち入り禁止場所に核物質を示すマークを一瞬であったが眼にしたという。 この情報提供者の言葉を裏付けるように、3月17日の産経新聞「湯浅博の世界読解」という記事 の中で、湯浅記者は次のような驚くべき文章を不用意に書いていた。それに私は注目した。 「・・・外務当局はいま、核の傘について、有事に日本近海を遊弋(ゆうよく)する米国の 核搭載艦か、もしくは米軍基地に持ち込まれた核であると考えている。中国の核は米本土まで 届くから、米国はロサンゼルスやニューヨークを(つまり米国本土を)犠牲にしてまで米国内の 長距離核ミサイルを使用しがたい・・・」 要するに外務省は米国基地内に核が持ち込まれている事は核抑止の上で当然だと考えているという ことだ。そして中国との核戦争が起きたとき、米国は日本の犠牲の下に中国と核ミサイルを撃ち合う ことになる、それを外務省は認めているということだ。 産経新聞の記者さえも知っているこのような事を外務省は国民にまったく知らせようとはしない。 核密約報告書など茶番だ。日米同盟関係そのものが、壮大な密約なのである。 _________ 天木直人のメールマガジン 2010年3月18日発行 第79号 おしらせ 3月15日から高知新聞に6日間にわたって私の寄稿が連載されています。 日本のパレスチナ政策に対する渾身の批判です。それはまた日本の対米従属外交批判でも あります。 詳しくは高知新聞(088-822-2111) 天野弘幹記者に連絡下さい。

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