□■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン 2010年3月16日発行 第76号 ■ ───────────────────────────── 少なくとも対米外交に関しては鳩山民主党政権は最悪だ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 少なくとも対米外交に関する限り鳩山民主党政権の対米外交は最悪だ。 その事を3月16日の産経新聞のスクープ記事を通じて解説する。 鳩山首相は4月12、13日の両日にワシントンで開かれる核安全保障サミットに出席する。 その際日米首脳会談を行いオバマ大統領との首脳会談を実現してギクシャクした日米関係を 修復したいに違いない。 普天間基地移設場所についての日本側の方針は3月中に決めなければならないと鳩山首相が 語ったのは、まさしく4月の首脳会談を念頭に置いた発言であった。 ところが3月16日の産経新聞は、たとえ鳩山・オバマ首脳会談が設定されたとしても 極めて短時間になり、懸念となっている普天間問題について突っ込んだやり取りは見送られる 見通しだと報じた。 大統領サイドは「国務省レベルで解決すべきであり、ホワイトハウスに持ち込むべきではない」 (米政府関係者)との立場で、首脳会談の議題にはしないように日本側に伝えている、と報じた。 これを裏付けるように16日の各紙は、オバマ大統領の対日政策を取り仕切るキャンベル国務 次官補が17日に来日し梅本和義北米局長と日米同盟深化などについて意見交換する予定だと 外務省が15日に発表したと報じている。 更にまた14日のNHKのテレビ番組で岡田外相はキャンベル国務次官補には会う予定はない と明言した。私はこの発言を見逃さなかった。 かつて田中真紀子外相が、アーミテージ国務副長官との会談をキャンセルした事があった。その 理由の一つが、外務大臣が会う必要はない、レベルが違う、というものであった。 それは一般論としては正しい。米国だからと言って下っ端官僚にまで総理・外相が会うというのは 屈辱的だ。 しかし政策決定に重要な役割を果たす人物であれば事情は異なる。オバマ大統領に政治的メッセージ を伝えたければ外務官僚などに任せるだけではなく、 表敬を受けるという形をとってたとえ短時間 でも岡田外相はキャンベル国務次官補に会って、オバマ大統領に伝えて欲しいと、鳩山政権の考えを キャンベル国務次官補に明らかにすべきなのだ。 もっとも伝えるべきものがなければ何をかいわんやであるのだが。 かつて国際政治学者の藤原帰一氏は、日米外交を日米両国の官僚に任せきりにしてきたから今日の 混迷があるのだと雑誌で喝破していた。 私はその藤原発言の正しさをメルマガで書いた。鳩山民主党政権の対米外交の試金石は、対米外交を 政治主導に取り戻せるかだ、と。 政権交代から半年たって、もはや鳩山政権の限界は目を覆うばかりだ。対米外交に関する限り鳩山首相、 岡田外相には政治指導力はない。外務官僚に任せるほかに術はないようだ。 逆説的に言えば、まだ小泉自民党政権の対米外交のほうが良かった。 その対米従属ぶりが鮮明であるだけ対立軸がわかりやすかった。批判し甲斐があった。 鳩山民主党外交の最悪なところは、覚悟もないのに中途半端な対米自立外交を行おうとして米国の不信 を買った事だ。 それに対して、ひるむことなく対等な対米外交を貫けばまだ許せる。その結果はどうであれ新たな日米関係 が切り開かれる可能性はあった。 しかし、米国と外務官僚の恫喝に屈し、日米関係修復のためにあらゆる譲歩を繰り返しはじめた。 これは最悪だ。 今更どんなに米国に迎合しても一旦失われた米国の不信、不評は払拭できない。 その一方で小泉自民党政権よりももっと日米同盟重視を叫ばなければならなくなった。 私が鳩山民主党政権の対米外交が最悪だという理由がここにある。 _________ 天木直人のメールマガジン 2010年3月16日発行 第76号 おしらせ 3月15日から高知新聞に6日間にわたって私の寄稿が連載されています。 日本のパレスチナ政策に対する渾身の批判です。それはまた日本の対米従属外交批判でも あります。 詳しくは高知新聞(088-822-2111) 天野弘幹記者に連絡下さい。

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